Facebookは米国時間5月4日、Internet.orgの開発者向けプラットフォームを、同イニシアティブに対応したサービスを構築したいと考える起業家や開発者向けに公開すると発表した。
Internet.orgは、モバイル通信事業者と提携し、基本的なウェブサービスに無料でアクセスできる環境を提供している。サービスへのアクセスにはInternet.orgのモバイルアプリかウェブサイトのほか、パートナー企業のモバイルウェブブラウザを経由する。現在のサービス利用可能地域はアフリカ、ラテンアメリカ、およびアジアで、これまでインターネットにほとんどあるいは全くアクセスできなかった多くの人たちにネットへのアクセスを提供している。Internet.orgは、Ericsson、Nokia、サムスンといった企業とのより幅広い連携の一部として、2013年に設立が発表された。その目的は、いまだインターネットに接続していない世界の3分の2の人々にウェブアクセスを提供することにある。
今のところ、Internet.orgは各国で数十のウェブサービスを提供しており、これにはWikipedia、Facebookの「Messenger」、国際連合児童基金(UNICEF)の医療情報サイト「Facts for Life」、各地域のニュースサイトなどが含まれている。
しかし、Internet.orgのプラットフォームを利用できる企業やサービスをFacebookが選別する仕組みをとったことから、Internet.orgは批判に直面している。たとえばInternet.orgが活動しているインドでは、Facebookが新たにアクセス可能にした多数の人々に、自社のソーシャルネットワークやメッセージングサービスなどの同社にとって望ましいサービスを提供し、他のサービス提供事業者がユーザーにアプローチするのを制限しているとの不満の声が多い。こうした批判派は、Internet.orgがネット中立性に真っ向から対立していると指摘している。ネット中立性とは、インターネット上のすべてのトラフィックが平等に扱わなければならないとする考え方だが、Internet.orgは複数の無料サービスを優遇する一方で、ウェブ上で活動しているがInternet.org以外からしかアクセスできない競合事業者のサービスを妨害しており、これがネット中立性の侵害にあたるというのが、批判派の見解だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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