新年度の慌ただしさから、ホッと一息つけるゴールデンウィーク。本を読むためのまとまった時間が取れる絶好の機会でもある。4月に新しい仕事を始めてようやく1カ月という人もいるだろう。仕事をしていく上で、「最初にそれを知っておきたかった!」ということが色々とあるものだ。そこで、社会人の「基礎知識」として身につけておくと、後々役立つであろうという内容の書籍を5冊厳選した。
まずは英語。ビジネスで英語が必要になる場合、「英会話学校に通って日常会話から……」などと悠長な勉強の仕方をしている暇はない。自分が関わっている分野で使われている単語や表現から重点的に覚えていくのが近道だ。実務に直結しているので、覚えたそばから使う場面も多く、身につきやすいはずだ。本書は、ITプロジェクトに特化した英語表現が満載の1冊なので、CNET Japanの読者には最も身近に感じられるのではないか。
プロジェクトの進め方としては、「自分の会社とはやり方が違う」と思うかもしれないが、ITプロジェクトの現場で必要な英語には変わりない。またこの「ビジネスエキスパートEnglishシリーズ」には、「金融英語」版もあるので、ビジネスパーソンは両方とも読んでおくといいかもしれない。
次は、プレゼンテーションについて。プレゼンテーションというと、「TED」のようなパフォーマンスを取り入れたプレゼンテーションが注目されがちだが、そういうことは、普段のビジネスプレゼンテーションでは求められていない。求められているのは、アピールしたいことが明確で、企画にGOが出たり、契約に結びついたりするようなスライドだろう。
本書では、スライド作成の基礎をトータルで学べる。スライド作成に関する本がPowerPointの使い方に終始してしまいがちだが、本書ではツール以前の基本的な技術が丁寧に解説されているので、1人でじっくり学ぶのに最適だ。
「書き方」についても押さえておく必要がある。書くことは、ビジネスパーソンの基礎の基礎と言ってもいい。メール、企画書、報告書、議事録など、毎日何かしら書かなければいけない。自分では、伝えたい内容が分かっているつもりでも、ビジネスでは、相手にそれが正確に伝わらなければ意味がない。
ビジネスの現場で必要とされる、論理的な考え方や書き方を、きちんと学ぶ機会を得られないまま社会に出てしまった人も多いだろう。何を優先して書くか、どのような文章なら伝わるのか、本書のような書き方の本でじっくり学び、練習を積み重ねることで、徐々に書くことの苦痛から解放される。そしてそれは1年後、3年後、10年後と、年を経るごとに「あの時やっておいて良かった」と実感するはずだ。
仕事を続けていくと「仕事をもっと早く終わらせることはできないものか」、「チームでもっとうまく仕事を回していきたい」、「なんのために働いているんだろう」などと、さまざまな悩みを感じるようになる。良いアドバイスをしてくれる人が身近にいれば幸いだが、そうではない場合、本に相談するのも手だ。
悩んでいる時は、何がきっかけで悩みが解消されるかは分からない。意外にまったく関係ないように思われることが、きっかけになることもある。本書には、数多くの心理学の事例が掲載されており、それぞれの生かし所が提示されているが、パラパラと眺めて、目に留まった所は、その時の自分が必要としている事項かもしれない。
今の時代、一生同じ会社で安泰という人はほとんどいないだろう。本書は、フリーランスになることを考えている人や、フリーランスになりたての人を対象としているが、会社員として働いている時からフリーランスのように、自分が稼げるお金のことや、税金のことを知っていることはまったく無駄ではない。
イザという時に助かるだけでなく、毎月自動的に振り込まれる給与のこと、その内訳のことを知っておくことはとても重要だ。いざ会社から離れた時に、自分で同じ額を毎月コンスタントに稼ぐ苦労を知るだろう。その金銭感覚は、すなわち経営者の感覚とも言え、今後一生稼いでいくためには必要不可欠だ。若い内から、稼ぐ方法やお金の管理方法を身につけておくと武器になる。
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