飲食店のネット予約には、消費者がウェブから予約をして、店舗からの確認連絡をもって確定となる「リクエスト予約」と、申し込みをしてすぐに予約が確定する「リアルタイム予約」がある。リアルタイム予約は、営業時間外でも予約を受け付けて確定できるため店舗と利用者の双方に利点があり、導入数は増加傾向にある。食べログやぐるなび、ホットペッパーグルメ、ozmall、一休、Yahoo!予約 飲食店など多くの予約サイトがリアルタイム予約に対応している。
予約を受け付けるまではスムーズでも、その後、店舗側はウェブで受け付けた内容を予約台帳に転記する必要があり、二重予約などの事故を引き起こす原因となっている。それを防止するために作られたのが「予約台帳サービス」だ。従来の紙の予約台帳や顧客台帳をデジタル化してPCやタブレット、専用端末などで管理、閲覧できるもので、製品によりウェブ予約フォームの生成機能やグルメメディアとの連携機能を持つ。
その国内主要2社が4月、大きな動きを見せた。
飲食店向け予約台帳サービス「ebica(エビカ)予約台帳」を提供するエビソルは4月8日、予約サイト経由のウェブ予約を自動で取り込み、ひとつの台帳上で一元管理できる機能の提供を始めた。1月から先行運用していた70店舗では、主要グルメサイトからの予約の取り込みが安定的に稼働しているという。
「外部媒体(グルメメディア)との連携は台帳業界では初めて。大手予約サイトから受け付けた内容が自店の台帳と連携するため、飲食店側は媒体側に空席を出し渋らずに済むようになる。これは消費者にとってもメリット。予約がしやすい世の中になっていく布石となるのでは」(エビソル広報)。
4月15日には、トレタが提供する飲食店向け予約台帳サービス「トレタ」とYahoo!予約 飲食店が連携した。Yahoo!予約 飲食店で受け付けた予約内容を店舗の予約台帳へ瞬時に反映することで、予約管理を自動化した。これまで他の大手飲食店予約サイトでは予約ができなかった「俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA」「Eggs 'n Things(エッグスンシングス)」などの人気店を取り込み、店舗と消費者に利便性を訴求している。
これらの取り組みにより、店舗側は予約台帳サービスに一段と触れやすくなった。店舗側がこれに価値を見いだせば、予約台帳サービスの普及が加速する可能性がある。国内の予約台帳サービス事業者には、予約サイトの自動取り込みなどをいち早く実現した「TableSolution」のVESPERや、予約台帳機能を持つ「Airレジ」のリクルート、予約台帳サービスや予約サービスなどをまとめて展開する米OpenTableなどがいる。拡大した市場をめぐる競争は一段と激しくなりそうだ。
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