スカパーJSATは3月4日、海外に向け日本のコンテンツを提供する新会社「WAKUWAKU JAPAN(ワクワクジャパン)株式会社」を設立すると発表した。設立は5月1日。7月にはクールジャパン機構からの出資も受ける。
WAKUWAKU JAPANは、日本の番組コンテンツを現地語で放送するチャンネル「WAKUWAKU JAPAN」事業拡大のため設立される。WAKUWAKU JAPANは、2014年2月にインドネシアで放送をスタート。6月にはミャンマーでのサービスも開始している。
海外で暮らす日本人向けのチャンネルではなく、現地の人に向けた編成を組んでいることが特長で、現在インドネシアでは250万世帯、約1125万人が視聴可能とのこと。
スカパーJSAT代表取締役執行役員社長の高田真治氏は「単発でコンテンツを販売していくだけではなく、恒常的に日本のコンテンツが流せるスキームができないかと考えていた。海外で日本のコンテンツビジネスに対する理解を深めるためには、スポーツの生中継や日本で直近に放送した番組を提供するなど、編成的に自由度の高い取り組みでなければ難しい。専門チャンネルを作って提供することが最も将来性があると思った」と専門チャンネルに対する考えを話した。
インドネシアにおけるWAKUWAKU JAPANの視聴者は、所得の高い富裕層で、スマートフォン所有率97.7%(インドネシア全体の23%に対し)、PC所有率約90%(同15%に対し)と、情報感度の高い人々とのこと。
コンテンツとしては「ウルトラマン」が圧倒的人気を誇るほか、ドラマ、カルチャー、スポーツなどを放送。日本で放送中の最新ドラマの枠も設けており、3月は「問題のあるレストラン」を提供中。日本での放送後1カ月程度で提供しているという。基本的に字幕を入れた状態で放送しているが、子ども向けのアニメなどは吹き替えで対応する。
新会社は5月1日に、スカパーJSAT100%出資の子会社として設立。その後7月1日に簡易吸収分割方式によりWAKUWAKU JAPANの事業を継承し、スカパーJSATと海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)の両社が第三者割当増資を引き受ける。出資金は110億円で、スカパーJSATが60%となる66億円、クールジャパン機構が40%となる44億円。
今後は、シンガポール、タイ、マレーシアといったASEAN諸国を主軸に、オーストラリアなどのオセアニア地域、その後米国、欧州などへの多国化展開を考えているとのこと。2020年度には進出国22カ国、視聴可能世帯数4100万世帯を目指す。
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