バルセロナ発--未来のスマートフォンは、ユーザーから指示を受ける前にユーザーのニーズを予想し、行動分析を利用して、自らのセキュリティを高めるようになるかもしれない。
それらは、「Zeroth」と呼ばれる「Qualcomm」の新しい「コグニティブコンピューティング」プラットフォームに搭載されるかもしれない2つの機能だ。Zerothはハードウェアとソフトウェアを組み合わせたプラットフォームで、従来のものよりはるかに直観的なスマートフォンを生み出す可能性を秘めている。
Qualcommの製品担当幹部であるRaj Talluri氏は米国時間3月2日、「それは学習するスマートフォンで、時間の経過とともにパーソナライズ性が高まり、使い勝手がどんどん向上していく」とのインタビューで述べたが、Zerothを使用する最初の製品群に搭載される機能はもっと単純なものになる可能性が高い、と注意を促した。
何年も前から開発が続けられてきたZerothは、Qualcommが同社の最新トップエンドスマートフォンチップ「Snapdragon 820」を披露する手段でもあった。Snapdragon 820はZerothと連携するように設計される。デバイスメーカーへの820のサンプル出荷は2015年後半を予定しているので、この新チップを搭載するスマートフォンやZerothが2015年に登場する可能性は低い。Zerothは820を搭載する新しいスマートフォンで使用可能だが、ソフトウェアアップデート経由で、もっと基本的なバージョンを現行のスマートフォンに追加することもできる。
Zerothによって、人々はもっと自然にスマートフォンと対話することが可能になり、デバイスはジェスチャーや顔の認識、最適なワイヤレス接続の自動検出、特定の環境音および音声認識後の迅速なアクションを実行できるようになる、とQualcommは主張する。
QualcommはZerothをモバイルデバイス以外にも拡大し、自動車やウェアラブルにも搭載したいと考えている。
Qualcommは、820に関して、同社のカスタムプロセッサを使用する予定で、新しい64ビットCPU「Kryo」を採用する。Qualcommが販売を開始したばかりの「Snapdragon 810」は、英国チップ企業ARMからライセンスを受けたより一般的なチップデザインを使っているため、2015年のモバイル市場における競合他社との差別化がいくぶん難しい状況になっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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