Twitter傘下の動画共有サービス「Vine」のメンバーが初来日し、2月24日、都内のTwitter Japanオフィスで同サービスの現状や、日本のユーザーへの思いを語った。
Vineは、6秒のループ動画を投稿したり、視聴したりできるサービス。現在、世界での1日の再生(ループ)数は世界で15億回、アプリとウェブをあわせた月間アクティブユーザー数は1億人にのぼるという。ユーザー数は公開されていないが、2012年の創設以来、少なくとも4000万人に達していると見られる。
2013年には大量のポルノ動画がアップロードされて騒動になり、これをきっかけにTwitterはVineをNC-17(17歳以下の視聴禁止)指定にした。これを受け、米国時間1月30日には「Vine Kids」をリリースしている。
今回来日したのは、Vine部門統率者のJason Toff氏、カルチャー担当のJason Mante氏、プロダクトマネージャーのAdam Feldman氏、広報/マーケティング担当のCarolyn Penner氏。4人は、日本のユーザー数が過去3カ月で3倍に伸びたことなどから、日本市場に興味を持ち始めた。ユーザー急増の理由を探ることも、来日の目的に含まれているという。
4人は日本のユーザー数の伸びを「モバイル端末が普及しており、地下鉄に乗っているときにもWi-Fiを使ってインターネットに接続できることや、通信キャリアにより大量のデータを送受信できる通信プランが提供されていることなどが、その要因になっている」と見ているが、そのほかにも理由があると考え、日本のユーザーにVineの活用例を聞いたりしているそうだ。
Vineといえば、ユーザーが創意工夫を施した“おもしろい動画”が人気で、日本では若年層の利用が多い印象がある。これは米国でも同様のようだ。「米国でも若い世代が主なユーザー層で、やや女性が多い。ただ、幅広い世代からさまざまな動画が投稿されている。我々の仕事は、さまざまな種類の動画をすこし後押しすること。多くの動画はいま以上に伸びる潜在性を秘めている」。
米国では、Vineの人気ユーザーが、ハリウッド俳優のロバート・デ・ニーロ氏とコラボレーションした動画を投稿した例がある。Twitter Japanオフィスでの会見時には、日本の人気ユーザー「Reika Oozeki」さんを例に挙げ、「彼女も人気が高まっている。Vineからスターが生まれるような現象が日本でも起きているので、我々もできる限りのサポートをしていく」と語った。
サービスの収益化は「模索中」としており、具体的な考えは示さなかった。前述の通り、現在はユーザーに満足してもらえるサービスを作ることに注力しているという。
Facebook傘下の写真/動画共有サービス「Instagram」が2月に動画のループ再生を実装した。機能がVineに近づき、写真も投稿できる点で利便性の高いInstagramにユーザーが移る可能性があるが、Vine側は「心配していない。VineチームにもInstagramを使っている人がいる」と余裕を見せる。
「Vineの主な使用目的はエンターテインメント。同じ動画関連サービスでも、どういうタイプの動画を扱っているかが重要。Instagramは個人的な出来事を友人と共有するために使われるケースがほとんど。Vineにもそういう要素はあるが、それよりも少人数のユーザーがより大人数に対してエンターテインメント作品を発信している向きがある。つまり、生活の中の別の部分を扱っている」。
他方、エンタメに特化したVineをはじめ、テレビ番組の内容が動画関連サービスに投稿され、著作権を侵害するケースがある。これに対してVineでは、「コンテンツオーナーから違法なコンテンツがアップロードされていると報告を受けた場合には、確認して削除している」と説明した。
CNET Japanでは会見後、メンバー4人に日本のユーザーに向けてのメッセージをもらった。撮影は記者が、編集はMante氏が担当した。
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