[ウェブサービスレビュー]ウィルスチェックが標準付属、国産ファイル転送サービス「ラクスルBOX」

　「ラクスルBOX」は、最大2Gバイトのファイルをブラウザから送信できる、ファイル転送サービスだ。会員登録不要で利用でき、無料ながらパスワード保護やダウンロード回数制限に加え、ウィルスチェック機能が搭載されていることが特徴だ。

　使い方は簡単で、サイトのトップページで手持ちのファイルをドラッグ＆ドロップすると、ダウンロード用パスワードとダウンロード可能回数の指定、およびコメントを記入できるフォームが表示される。まずはここまでが第一段階だ。

　必要事項を記入して「ファイルを送信する」ボタンを押せばアップロードが行われ、送り先メールアドレスと自分の名前を入力するフォームが表示されるので、記入したのち「メールを送信する」をクリックして送信を実行する。これにより相手にダウンロードURLとパスワードを記したメールが届くというわけだ。あとは指定されたURLを開き、パスワードを入力すればダウンロードが可能になる。URLとパスワードは同じメールに記されているので、セキュリティを考慮するなら別メールに分けたほうがよいだろう。

　本サービスの特徴は無料かつ会員登録不要でありながら機能が充実していることだ。同種のサービスは無料プランでは何らかの機能制限がついており、有料版で初めてフルの機能が提供されることが多いが、本サービスではパスワード保護やダウンロード回数制限、SSL対応はもちろんのこと、ウィルスチェックについても標準で提供される。ウィルスチェック機能が標準で用意されているのは、同種サービスの中では珍しい。

　一方で細かいカスタマイズにはあまり対応しておらず、例えばダウンロード回数は、制限なし/5/10/50回とかなりざっくりとした選択肢しかないほか、手動でファイルを削除する機能もない。メールの控えを自分宛てに自動送信する機能もないため、控えが必要なら相手のメールアドレスとともに自分のアドレスも入力しなくてはいけないなど、運用でカバーしなくてはいけない点もある。また送信相手のメールアドレスを記入するよりも前の画面で相手へのコメントを記入させるフローになっていたりと、ほかにはあまりないフローも一部に見られる。

　とはいえ、全体としてはわかりやすく設計されており、会員登録の手間も必要ないことから手軽に利用できる。国産のサービスであり、同種サービスのように個人ではなく会社として提供しているのも安心感につながっている。無料ながら広告が少なく、URL通知のメールにわずかに表示されているだけというのも好印象だ。前述の自分宛の控えメール送信などの機能がわかりやすく改良されれば、さらに使い勝手が向上するだろう。