「Filemail」は、ウェブメールを送信するのと同じ要領で大容量ファイルを簡単に送れる、ファイル転送サービスだ。最大50Gバイトのファイルの送信をサポートしており、個人利用については会員登録不要で無料で利用できる。
サイトのトップページにアクセスすると、ウェブメールそっくりの画面が表示される。ここに宛先、送信者それぞれのメールアドレスと、件名、メッセージを入力したのち、送信したいファイルをドラッグ&ドロップして送信ボタンを押すだけで、ファイルが送信される仕組みだ。サイトは日本語なのでわかりやすい。
送信可能なファイルサイズは最大50Gバイトで、保存期間は1~7日から1日刻みで指定できる。相手がダウンロードしたことをメールで知らせる完了報告の機能が用意されているのは、無料サービスとしては珍しい。ただしhttpsの利用およびパスワード保護機能については無料版ではサポートされていないので注意が必要だ。
ファイルのアップロード中は、進捗状況がわかりやすく表示される。今回は平日午後の時間帯に送信を試してみたが、最速で2.5Mbpsという比較的速いスピードでアップロードができた。約100Mバイトのファイルでも2~3分あればアップロードが完了するので、利用者が多く常に混んだ状態にある同等サービスなどと比較すると、かなり快適な印象だ。
アップロードが完了すると、宛先および送信者のそれぞれに通知メールが届く。記されたURLにアクセスしてダウンロードボタンをクリックすると、ダウンロードが実行される。ファイルは単体でのダウンロードのほか、複数ファイルをZIP形式で圧縮してのダウンロードにも対応している。
日本国内ではそれほど知られていないサービスだが、すでに数年以上の運営実績があることから海外では知名度は高く、法人向けプランも用意されるなどプランは充実している。また2014年には大規模なリニューアルが行われて画面が刷新され、日本向けの専用URLも用意されるなど、日本国内から利用するにあたってハードルを低くしようとする取り組みも見られる。ヘルプページなどは英語のままだが、一般的な用途ではまったく問題ないだろう。
ネックがあるとすれば、会員登録が不要で利用できる反面、メールアドレスがまったくの認証なしで送れてしまうことで、今回も試しに架空のメールアドレスを発信元にしてみたところ、なんのエラーもなく送信ができてしまった。繰り返しの送信に制限を設けることで悪戯で使われるのを回避しているようだが、もともと個人利用についてのみ登録不要で無料で使えるというスタンスであり、利便性を優先したぶんセキュリティはやや甘くなっている印象だ。こうした点についてはきちんと理解したうえで、用途を見極めて利用するとよいだろう。
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