ゲームは自分で遊ぶもの、と言うのはすでに昔のこと。超絶技を駆使したプレイ動画を見たり、プレーヤーの面白トークの実況付きのプレイ動画を見るのが、新しいゲームの楽しみ方として定着してきている。
テレビ番組の「ゲームセンターCX」の登場や動画投稿サイトでプレイ動画を配信する動画配信者やYouTuber(ユーチューバー)の高い人気が後押ししており、スポーツがプレイするだけでなく、観戦が1つの楽しみになっているのと同じだと言えよう。
そして、今ゲームは見る側から、見せる側へとプレイヤーが移行しつつある。ブログが登場し、インターネットが閲覧するものから、表現するものに変わったのと一緒だ。さらに、配信の仕方によっては、再生数に応じた報酬を得ることも可能。動画配信者やYouTuberの中には、プレイ動画の配信だけで生計を立てており、その中には年収数千万円の人もいる。
YouTubeは2015年になって広告料が減ってしまっているので、2014年ほどまでには稼げなくなっている可能性はあるが、それでも見てもらうだけで収入になるので、やってみる価値はある。加えて任天堂が新たに「Nintendo Creators Program」を開始し、追い風となっている部分もある。
ということでこの連載では、実際にプレイ動画を作り、配信し、お金を稼ぐまでの手順を数回に分け、解説する。興味があるけど、やり方がわからないと言う人は、ぜひ読んでみてほしい。
プレイ動画を見たことがある人はともかく、まだ見たことがない人がいるのであれば、一度見ておいて損はない。プレイ動画にはいくつかのスタイルがあるので、自分がプレイ動画を配信するにあたり、どのスタイルが合っているかを確認しておこう。
動画のスタイルとして大きく分けられるのが、ゲーム画面をそのまま動画にするものと、ゲーム画面をビデオカメラなどで撮影するもの。ゲーム画面をそのまま使う場合は、据え置きのゲーム機やPCのゲーム、ビデオカメラで撮影する場合は携帯ゲーム機やスマートフォンのゲームをプレイすることが多い。
さらにプレイ動画は「ゲーム実況」と呼ばれることもあり、実況が入っているかどうかも重要。ゲームのプレイ画像を淡々と流すものもあれば、終始、実況を入れているものもある。初心者が実況を入れるのはそれだけでハードルが高くなるので、まずはプレイ動画のみを流す方法を選ぶことをオススメする。当然、実況付きの方が人気は出やすい。
自分で購入したゲームであっても、勝手に動画を配信してしまうのは著作権に抵触するおそれがある。なのでプレイ動画に選ぶゲームは、まず公式サイトに訪れ、プレイ動画に関する規約があるかどうかを確認しておこう。
以前はアップした動画の削除を要請されるケースもあったり、削除されないまでも、あくまでも黙認で後ろ盾を得ているとは言い難い感じだった。しかし、最近ではメーカーも協力的になってきている。
「PlayStation 4」には、プレイ動画を動画配信サイトにアップロードできる機能「SHARE」が標準装備されている。基本的にはSHAREに対応しているゲームはアップロードしても問題はない。ほかにも、ゲーム単体で動画配信サイトにアップロードできる機能が付いている場合もあり、かなりプレイ動画に寛容的だ。
ただし、ネタバレは基本的に禁止。アドベンチャーゲームやロールプレイングゲームなど、ストーリー展開がプレイ動画を見るだけでわかってしまうのは、メーカーも禁止をしていることが多い。ジャンルとしての狙い目は、アクション、パズル(解法を必要としないもの)、シミュレーション(ストーリー性のないもの)などだ。代表的なメーカーの対応を下記に掲載するので参考にしてほしい。
ニコニコ動画の「クリエイター奨励プログラム」に対応することを発表。対応するのは任天堂指定のタイトル。「ファミリーコンピュータ」から「Wii U」まで、250以上のタイトルが指定されている。さらにYouTube広告収益を動画投稿者と分配するNintendo Creators Programも1月28日にベータ版が開始された。
PS4ではタイトルごとに、SHAREの対応が決まっている。録画したプレイ動画のアップロードに加え、UstreamやTwitchへのストリーミング配信などにも対応中だ。
「ウルトラストリートファイターIV」は、対戦動画をYouTubeにアップロードが可能。ほかにも「ストリートファイターIII サードストライク オンラインエディション」や「ヴァンパイア リザレクション」に、リプレイ動画をYouTubeにアップできる機能を搭載する。
「スーパーダンガンロンパ2」の公式サイトで、2章以降のプレイ動画を公開しないように自粛を促しているが、1章までの公開は認めている。「絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode」もネタバレを禁じている。ただし、「ゆーもあのある面白いプレイ動画を公開する者」か「キムチとコーラをまぜた「キムコーラ」を一気飲みした勇者には、1章までの動画の公開を認めている。
「艦隊これくしょん~艦これ~」のプレイ動画は運営/開発として認めている。
次回はゲームのプレイ動画に必要な機材や下準備について解説。動画を撮影するためのビデオカメラやマイク、動画配信サイトのアカウント、動画の編集ソフトなどを紹介する。
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