ソニーは2月3日、肌状態を高精度かつ高速に測定、解析する肌解析システム「BeautyExplorer(ビューティーエクスプローラー)」を製品化したと発表した。デジタルカメラなどに使用しているCMOSイメージセンサ技術を応用し、開発した。エステティックサロンや化粧品メーカー向けのサービスとして提供していく。運用開始は3月中旬。
BeautyExplorerは肌測定機「Skin View Camera」、肌解析アプリ「Skin Analyzer」をインストールした専用タブレット、クラウドサービス、スマートフォン向けアプリ「Skin Viewer」の4つから構成される肌解析システム。Skin View Cameraを使って肌を測定し、Skin Analyzerで解析したものを専用タブレットやSkin Viewerをインストールしたスマートフォンから確認できる仕組みだ。
Skin View Cameraには、CMOSイメージセンサ、光学モジュール、LEDを内蔵することで肌のキメ、毛穴、シミ、色み、油分などの解析が可能。水分の測定用として専用センサも備える。本体は高さ108mm×幅38mm×奥行き53mmで、重量約115gのコンパクトサイズ。複数の波長を持つLED光源を使用することで、多角的な解析を業務用レベルの機器同様に解析できることが特徴だ。
解析には、ソニーが2012年12月に開発した肌解析技術「SSKEP(スケップ)」を採用する。肌解析アルゴリズム、複数波長光源、CMOSイメージセンサを用い、画像解析技術画像認識技術を応用した定量評価と画素単位での成分分析を行い、解析結果を視覚的に表示することができる。
SKEPPはクラウド上で運用され、解析精度の向上や新たな項目追加などにも対応が可能。アプリに関しても最新版をクラウド経由にて配布することで、ユーザーが飽きることなく、長い期間使用できるとしている。
ソニーの業務執行役員SVPデバイスソリューション事業本部イメージセンサ事業部長の上田康弘氏は「イメージセンサ事業は今後大きな伸長が見込まれているが、今以上に大きくしていくには『センシング』がキーワードになると考えている。BeautyExplorerはそうしたセンシング技術を用い、デバイスでソニーを変えていくことを目的に開発されたもの。ソニーは今までコンシューマ商品を数多く手がけ、物を売って対価をいただく商売をやってきた。そうした売り切りだけではなく、システムやソリューションを含めて商売をしていく新しいモデルとして導入していく」と新市場参入への背景を話した。
税別価格は月額1万5000円から2万円を想定しており、これには測定機器のリース、クラウドソリューションの利用料金などが含まれる。現時点では直接消費者に向けた販売は想定しておらず、エステティックサロンや美容サロンを通じてサービスを提供する方針だ。販売目標については具体的な数字は明らかにしなかったが、導入先で一定のプレゼンスはとっていきたいとしている。
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