イラスト印鑑通販店「痛印堂」を運営するe3paperは2月3日、日産自動車とコラボレーションしたNISSANオリジナル公式印鑑を発表した。丸印のみで価格は税別各3580円。2月6日から予約受付を開始し、3月末から順次発送する。
印鑑は、スカイライン、フェアレディZ、シルビアをはじめとした日産自動車の車両イラストを印面にデザインしたもの。彫刻文字や書体は購入者が選べるオーダーメイド印鑑で、印材にはツゲを使用しているため、実名入りであれば銀行印として使用できるのが特徴。また特設サイトに掲載されている日産自動車のコメントとして「銀行印として使用できるので、もちろんクルマ購入時にも使用できます」という一文が添えられている。また現状では数量限定や期間限定にはせず常設販売の予定で、デザインされる車種は随時更新するとしている。
このほか、車両やロゴをあしらった高級レザー捺印マットを税別1980円、印鑑ケースを税別1980円で別売する。
e3paperは2010年創業のベンチャー企業で、2012年6月から痛印堂を展開。文字のみ入っているものが印鑑という一般的なイメージがあるなか、イラスト入りの印鑑が銀行印としても使えるという意外な実用性から話題に。自ら描いた一次創作のイラストを印鑑にできるといったほかにも「魔法少女まどか☆マギカ」、「アイドルマスター」、「TIGER & BUNNY」といったアニメ作品との公式コラボ印鑑を展開している。
印鑑になじみの薄い若年層を開拓した“痛印”ではあるが、e3paperの代表を務める中川貴文氏は、さらにビジネスとして普及するためには印鑑を重用している年配の層で、なおかつマス(一般)に向けたアプローチを行い理解してもらう必要性を感じていたという。
さまざまな題材を模索している状況だったとしたが、今回の日産自動車のとコラボについては、ある展示会でたまたま会った日産自動車の担当者に中川氏が声をかけたことにより、日産自動車本社に招かれ、痛印を気に入られたところから関係がスタートしたという。「ただ、驚かされたのはスピード感。大手企業であれあるほど、さまざまな承認など時間がかかるもの。ましては弊社は従業員4人のベンチャー企業。にもかかわらず、正式な合意までには数週間もかからなかった。打ち合わせは綿密に重ね、各種調整などに時間がかかったところもあるが、こと印鑑化する車種や車両の角度などのリクエストはなく、印面のデザインもこちら側の提示で一任していただいた。お客様の要望に応えられるか、逆にこちらがプレッシャーを感じているのが正直な気持ち」と、販売化までの経緯について、中川氏は振り返った。
今後もアニメ作品にとらわれず、あらゆる題材でのコラボ展開を検討するとともに、捺印マットで活用しているフルカラーで印刷されたレザー製品のグッズ展開も検討しているという。「今回はアニメ作品ではないが、根底にある“驚きを感じてもらうこと”は変わらない。痛印そのものに驚きを感じてもらったように、あらゆる題材を検討して驚いてもらうことを提示していきたい」(中川氏)
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