映像配信サービスや仮想移動体通信事業者(MVNO)によるモバイルサービスなどを手掛けるU-NEXTは1月28日、NTT東西の光回線サービスの卸を受け、自社ブランドによる固定ブロードバンドサービス「U-NEXT光」を2月1日より提供すると発表した。提供中のモバイルサービス「U-mobile」と連携した割引サービスなども提供するとしている。
U-NEXTの代表取締役社長である宇野康秀氏は記者発表会の冒頭、日本の通信の歴史について振り返った。日本の通信事業は今から30年前の1985年に、電電公社の民営化による通信の自由化が進められ、現在の携帯電話の元祖というべき「ショルダーホン」が誕生するなど転換期を迎えたが、それらの取り組みから30年で通信サービスは大幅に進化したと宇野氏は評価する。一方で、NTTに対する規制などもあったことから、固定通信とモバイルが別に扱われることが前提とされていたとも説明する。
しかし、2015年にNTT東西の光回線サービス卸「光コラボレーションモデル」が実現したことを受け、「固定とモバイルと組み合わせた画期的なサービスをスタートできる」と宇野氏は判断。光コラボレーションモデルを用いた新サービス「U-NEXT光」を提供すると発表した。
U-NEXT光は、集合住宅向けが月額3480円、戸建て住宅向けが4980円で利用できる、光回線による固定ブロードバンドサービス。2年契約が必要な「にねん割」の適用で利用可能となる。ただしインターネットを利用する場合はISP「U-Pa!」の契約が必要で、こちらは集合住宅向けが月額880円、戸建て住宅向けが980円となる(「にねん割」適用時はそれぞれ730円、790円)。
ちなみに宇野氏はUSEN時代の2001年に、自社で光回線を敷設して世界初の光ブロードバンドサービスを提供した経験を持つ。それだけに、自身で光回線を敷設することの限界や、NTTの光回線が解放されることの意味の大きさを、身を持って実感しているとのことだ。
さらにU-NEXTでは、MVNOとしてモバイルサービス「U-mobile」を提供している強みを生かし、固定・モバイルの一体利用による割引プラン「U-NEXT光&スマホコラボレーション」も提供するとしている。宇野氏によると、ポイントは大きく分けて2つあるという。1つは従来の通信品質を維持したまま、通信料金を削減できることだ。U-NEXT光はNTT東西の光回線、U-mobileはNTTドコモのネットワークを用いていることから、従来と同じ通信品質を維持しながらも、コストを大きく下げられると宇野氏は話す。
そしてもう1つは、特に固定回線において、工事が不要で簡単に乗り換えられることだ。現在、フレッツ光を利用している世帯は推定で1850万とのことだが、それらの世帯は“転用”という扱いになるため、新たな工事をすることなくU-NEXT光にサービスを変更できるという。またスマートフォンに関しても、U-mobileはNTTドコモの回線を利用しているため、NTTドコモのユーザーが乗り換えた場合、従来利用している端末をそのまま継続して利用できることも、重要なポイントになると説明した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス