英国のDavid Cameron首相は、電子通信の暗号化を取り巻く法制の強化を約束した。「WhatsApp」「Snapchat」、Appleの「Messages」などが対象になりそうだ。Cameron首相は現地時間1月12日、「(テロリストたちが)安全に連絡を取り合える場所を放置」しておくべきなのだろうかと述べた。
Cameron首相は、先週パリで起こったテロ事件を受けて、治安対策を議論していた。この事件では、武装集団が風刺雑誌「Charlie Hebdo」のオフィスを襲い、12人を殺害している。同首相は、2015年の総選挙の結果で再び首相に選ばれたら、テロリスト間の通信を遮断するために、保安機関が解読できないような暗号化を禁止するつもりだと約束した。
Cameron首相はパリで行った演説で、「危機的な状況においても、内務大臣本人が署名した令状をもってしても内容を知ることのできない通信手段を、わが国で許可すべきなのだろうか」と問いかけた。
暗号化通信の禁止について、Cameron首相が提案した政策は、ユーザーのデバイスとサービスを守ることにおいてシリコンバレーの企業間で大きくなりつつある流れと衝突する可能性がある。Google、米Yahoo、Facebookなどは、ユーザーが自社に預けているデータを暗号化でより強固にすることを約束している。AppleやGoogleのような企業は、それぞれのスマートフォンやタブレットに暗号化テクノロジを導入し始めてさえいる。これらの取り組みは、法執行機関において懸念事項となっており、特に米国においてはそうだ。
政治家の約束は大半がそうであるように、Cameron首相の提案は表現こそ大胆なものの、どのように施行するのかについて詳細な説明がない。
Cameron首相は12日の演説で、少なくとも監視には慎重さが必要とされることを認めた。同首相は、通信データ(誰が誰にいつメッセージを送信したか)へのアクセスと、メッセージ自体へのアクセスを比較し、メッセージの実際の内容を見ることには異論が多いことを認め、この「非常に高圧的な権力」の行使には厳格な予防措置が不可欠であると強調した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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