NTTドコモは、直近3日間で1Gバイト以上のデータ通信を利用したスマートフォンユーザーへの通信制限を、2014年12月22日に撤廃したことを明らかにした。主要携帯3キャリアの中では初めてとなる。同社広報は、その理由を「Xiエリアの拡充が着実に進んだことで、1Gバイトの制限を無効化しても、お客様が快適にご利用できるネットワーク環境が整ったため」と説明した。
対象となるのは、LTEサービス「Xi」に契約しているスマートフォンユーザーで、新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」に契約していないユーザーでもXiに契約していれば適用される。仮に1日で1Gバイトを一気に使っても、制限はかからないという。なお「FOMA」は対象外となる。
携帯キャリア各社は一部のユーザーによる過剰利用を防ぐために、パケット使い放題プランに契約していても、月々のスマートフォンのデータ通信量が7Gバイトを超えると、翌月まで通信速度を128kbpsに低速化する通信制限を実施している。その後もLTEを利用するには追加料金を支払う必要がある。
各社はこの7Gバイトの通信制限とは別に、直近3日間のデータ通信量が1Gバイトを超えると翌日に低速通信にする制限をかけていた。その規制内容はキャリアによって異なるが、いち早くドコモがこの制限自体を撤廃した形だ。そうすると気になるのは、KDDIやソフトバンクモバイルの反応だが、両社の広報に確認したところ、すぐにこの制限を撤廃する予定はないとのことだった。
最近はスマートフォン向けの動画やリッチな表現のゲームコンテンツ、マンガをはじめとした電子書籍の利用も増えており、気づかないうちに突然「あれ?なかなか読み込まなくなった」と、通信速度が一気に低速になった経験を持つユーザーも少なくないだろう。
ユーザーにとって、この「3日間で1Gバイトを超えると通信速度が遅くなる制限」が、どれだけ通信キャリアを選ぶ際の重要なポイントを占めるかは分からないが、これによってユーザーが離れることがあれば、他社も追随せざるを得ないだろう。
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