第2回 CNET Japan Startup Award

資金繰り、社員集め、オフィス--「Tokyo Otaku Mode」「Retty」の代表が明かす創業時の苦労

モリジュンヤ2014年12月25日 07時30分
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 朝日インタラクティブが12月16日に開催したイベント「第2回 CNET Japan Startup Award」。同日は、前回のアワードを受賞したスタートアップの各代表が登壇し「スタートアップ、最初にやるべきこと、やってはいけないこと」と題したトークセッションが行われた。登壇したのはTokyo Otaku Mode共同創業者 CEOの亀井智英氏とRetty創業者の武田和也氏の2人。モデレータはTHE BRIDGE 代表取締役の平野武士氏が務めた。

 アニメ、マンガ、ゲームなどのオタクコンテンツを海外に向けて発信している「Tokyo Otaku Mode」と、実名型グルメサービス「Retty」。今回のセッションでは、両社の創業初期からシード期にフォーカスして、さまざまな質問が投げかけられた。


トークセッション「スタートアップ、最初にやるべきこと、やってはいけないこと」

起業に至るまでの道のり

 まず平野氏が質問したのは、起業をすると決めて、何から着手したのかということ。亀井氏は前職の時代に、社外の人間として当時ビズリーチの新規事業だった「LUXA」に携わったことが、自身の考えに影響を与えたとコメント。「自分と同じく外部から参加している人たちと共に仕事をすることで、自分に出来ることと出来ないことの整理ができ、自ら起業するとしたらどんなメンバーが必要かをイメージすることができた」という。

  • 「Tokyo Otaku Mode」

 その後、亀井氏は会社に勤めながらプロジェクト型Tokyo Otaku Modeの原型となるFacebookページを開設し、北米で会社を登記した。アクセラレータの500 startupsから、「自前のサービスがあったほうがいい」と助言されたため、自前のサイトを立ち上げた。当初はメディアとしてさまざまなグッズを紹介していたが、ユーザーから「グッズを買いたいので買い方を教えてほしい」と言われ、そのニーズに応えるべく、2013年3月頃からグッズの販売を始め、現在に至っている。

 Rettyの武田氏は、昔から起業することは決めており、2007年にネットエイジに入社。3年勤務した後に退職した。その後、1年間サンフランシスコでどのようなサービスを始めるのかを考えていたという。「どこで勝負するか、どんな事業をするかを最初に決めることが重要。それを見つけるために、ひたすら調べ物をし、いろいろな人に会っていた」と当時を振り返った。10カ月の期間を経て、Rettyの提供を決めた武田氏は帰国後、起業した。

共に戦うメンバーをどう集めたか

 起業する際に必要になるのが、共に戦うメンバーの存在だ。2人はどのようにメンバーに声をかけていったのだろうか。亀井氏は、平日の夜や週末だけでもいいから手伝ってほしいと声をかけていたという。「自分も誘いやすかったし、関わりやすかった」(同氏)。サラリーマン時代、最後は電通に勤務していた亀井氏は、仕事上で生まれたつながりも多く、声をかけやすかったそうだ。Tokyo Otaku Modeは半年間無給でスタートし、資金調達して徐々に給料を増やしていった。

  • 「Retty」

 武田氏は創業当時、エンジニアがおらず、自身もサービスの開発経験がなかったため、phpの本などを買って勉強していたことを明かした。最初に参加したメンバーは、武田氏が前職で同じチームだった人だという。「彼にも会社を辞めてジョインしてもらい、最初に資本金400万円を用意した。これでサービスが作れなかったら会社を潰すと決めていた」と武田氏。

 その後は、亀井氏と同様に普段は会社で働いている人に週末にオフィスに来てもらい、徐々に関わってもらうようにしていったそうだ。貯金があるうちは無給で働き、働きながら関わっていた人にも無給でお願いしていたという。

 創業初期のスタートアップにジョインしようと考える人を見つけるのはなかなか困難だ。両社のように、まずは少しずつでも関わってもらうようにしていくことから始めるのが得策かもしれない。

どのように資金調達を学んだか

 資金調達は誰かに教えてもらえるものではない。どの起業家も初心者から始まる。Tokyo Otaku Modeは米デラウェアで登記したため、創業時の資金は1000ドルからスタート。その後、亀井氏はプロダクトも資料もない状態で、ネットエイジ代表取締役の西川潔氏に相談したところ、投資してもらえることが決まったという。西川氏との出会いはTwitterだったというから驚きだ。

 武田氏は自己資金300万円でスタート。この資金は親に借りたものだったという。会社を立ち上げた後、サービスをリリースするまではピッチコンテストなどにも出場せず、ステルス状態を保っていた。その際に、サイバーエージェント・ベンチャーズのキャピタリストから連絡を受けたことからVCに会うようになっていったという。このときの問い合わせにつながったきっかけもTwitterだと言うのだから驚きだ。平野氏の「資金を調達したい人はTwitterをやったほうがいい」というコメントにも頷ける。


モデレータを務めたTHE BRIDGE 代表取締役の平野武士氏
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