ケイ・オプティコムは12月18日、MVNOによるモバイル通信事業「mineo(マイネオ)」の料金プランを2015年2月より値下げするとともに、京セラ製の新端末「LUCE」を12月24日に発売することを発表した。同日開催された記者向け発表会では、他のMVNOが料金据え置きでの大容量化を進める中、1Gバイトのコースを残すなど容量はそのままに、値下げをするに至った背景について説明した。
発表会では、ケイ・オプティコムのモバイル事業戦略グループ グループマネージャである津田和佳氏が登壇し、mineoの近況について説明。6月3日のサービス開始以降順調に会員数を伸ばしており、12月17日時点では4万2000件の契約を獲得している。加入者の属性も女性が17%と2割近くに達したほか、関西以外の加入者が69%に達するなど、全国的に加入者獲得が進んでいるという。
料金プラン別の加入者も、音声通話付きのデュアル契約が47%に達し、さらに番号ポータビリティによる加入者が3割となるなど、1台目のメイン回線として選んでいる人が増えていることをアピール。一方でトラフィックは着実に増加しており、「特に10月辺りは、利用者から速度低下の声を受けることが多かった」(津田氏)という。そのため、12月までに合計で10回の回線増強を実施するなど、メイン回線として快適に利用してもらうための環境整備に、今後も力を入れるとしている。
またここ最近、競合するMVNOが相次いで、料金据え置きのままで高速通信容量を倍増させる施策を打ち出し、大きな注目を集めている。そこでケイ・オプティコムも通信容量の増量を検討するべく、ユーザーニーズを見極めるために、高速通信容量1Gバイトをプレゼントする「パケットギフト」のキャンペーンを実施したという。
しかし、mineoでは余った通信容量を翌月に繰り越しできる仕組みがあることもあり、ユーザーからはギフト分の容量を使い切れないという声が相次いだそうだ。また実際の利用動向を分析したところ、7割近いユーザーが高速通信容量1Gバイト以下で済んでいたという。
そうした結果を受け、津田氏は「mineoのサービスを始めたのは、必要なものを必要なだけ利用できるよう、安心して快適なサービスを提供するため。ベネフィット追求のためには、あえて高速通信容量1Gバイトの選択肢を提供する」と話し、高速通信容量を増やすという業界の動向にとらわれず、顧客基準で無駄をゼロにすることを重視した戦略をとるとした。
その上で、津田氏は2015年2月より開始する、新しい料金プランについて説明。1Gバイト、2Gバイトのコースでは容量はそのままながら、月額料金はそれぞれ980円から850円、1580円から980円へと値下げを実施。3Gバイトのコースに関しては、容量を1Gバイト増やして4Gバイトとなり、さらに価格も月額2330円から1580円に値下げしている。
さらに新たな施策として、1Gバイトのプランを選んだ人には、契約初月限定で、1Gバイトの容量をプレゼントする仕組みを用意する。これにより、自分の利用スタイルで通信容量が1Gバイトで足りるか否かを判断でき、翌月以降のプランを検討しやすくなると、津田氏は話す。
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