プロスポーツ界に進出するタブレット--MS製「Surface」を導入した米NFLの試み - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年12月10日 07時30分

 各サイドラインに13台のSurfaceタブレットが用意され、安全性の高い2つのワイヤレスネットワークのいずれかに接続される。1チームにつき1ネットワークだ。これらはMicrosoftの「Surface Pro 2」タブレットであり、新しい「Surface Pro 3」ではない。雨などの悪天候に耐えられるように作られているほか、耐久性の高い追加のケースが装着される。筆者は非静電容量方式のスタイラスを非常に激しい雨のなかで試してみたが、画面上に問題なく書くことができた。極端に低い気温でも動作するようになっているが(動作温度は摂氏マイナス23度~48度)、温度と湿度が管理され、充電とデータ同期の機能を備える専用のキャビネットもあり、使わないときはこのキャビネットに保管する。また、直射日光の下でも画面が見やすいように作られている。筆者は夜間に試したため、ほとんど違いが分からなかったが、多くのNFLチームが午後の明るい時間帯の試合で使用しており、何も問題はないようだ。

試合前にセットアップされたタブレット
試合前にセットアップされたタブレット
提供:Dan Graziano/CNET

 これらのタブレットで実行されるソフトウェアの機能は、写真の配信だけに限定されている。ネットワークを切り替えるなど、ほかの目的に使用することはできない。基本的には、簡略化された専用のツールだ。これは仕様でもある。NFLは当面、チームが使用できる機能をこれらの写真に限定しているからだ。テレビ放送でよく見かける多視点カメラシステムやリアルタイムの得点情報といったものは、ここにはない。連絡手段としては、もちろん、ヘッドセット(現在はBoseとパートナーシップが結ばれている)を使用してブースを呼び出したり、話したりすることができる。

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提供:Dan Graziano/CNET

 Microsoftは筆者と数人の米CNET記者を招待し、これらのタブレットをじかに試させてくれた。筆者はNew York Jetsのシーズンチケットを購入しているが、実際のフィールドに入ったことは一度もなかった。これらのカスタムタブレットが実際に動作する様子を見たのも初めてだ。われわれの短い見学ツアーを案内してくれたのは、New York Jetsのビデオ担当ディレクターであり、Jetsの全試合の撮影と編集を監督するTim Tubito氏と、Microsoftの製品マーケティング担当ディレクターであるJames Bernstrom氏だ。見学後は、JetsとMiami Dolphinsが試合の準備を進められるように、フィールドを出なければならなかった。

 Dolphinsベンチの後ろからサイドラインを見ていて(NFLの規制により撮影はできなかった)、気付いたことがある。数名のコーチや選手はSurfaceタブレットを全く使用しておらず、印刷された写真をバインダーにとじて使っていた。

 このことには引き続き注目する必要があるだろう。NFLシーズンは、雨や雪が多く寒い時期にプレイオフに向かって進んでおり、悪天候のなかでは古い習慣がなかなかなくならないからだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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