小型ヘリコプタ「ドローン」で知られる仏Parrot(パロット)は、ヘッドホン「Zik」の開発、販売を手掛けるオーディオメーカーでもある。発売以来、高機能かつデザイン性の高いオーディオ製品を販売し、この11月にはヘッドホンの最新モデルとなる「Parrot Zik 2.0」(Zik 2.0/価格:4万4900円)を発表した。
Bluetoothによるワイヤレス再生とノイズキャンセリング機能を備え、デザイナーには、インテリア、家具、食器などのデザインで知られるフィリップ・スタルク氏を起用。スマートな見た目と使い勝手は、Zikならではの魅力だ。
ParrotでJPAC地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターを務めるChris Roberts(クリス・ロバーツ)氏に、Zik 2.0の独創的な仕様が生み出された背景や日本市場における戦略について聞いた。
Zikは「すべてを兼ね備えたヘッドホン」をコンセプトに開発しました。“すべて”の中にはフィリップ・スタルク氏による洗練されたデザイン、タッチパネルによる操作性の良さ、さらにはノイズキャンセリング機能、アプリによるスマートフォンとの連携などが含まれています。
Zik 2.0は、そのコンセプトをベースに開発した最新モデルで、数多くの進化を遂げました。第1に本体の軽量化です。Zik 2.0の重量は270gで、第1世代機からは17%の軽量化を実現しました。前作同様にデザインはスタルク氏が担当しており、快適性、使いやすさにおいて従来以上のものに仕上げています。
ヘッドバンド部は余裕を持って装着できるものに変更し、クッションも厚くしています。ハウジング部は縦長のデザインすることで、耳を無理なくカバーできるほか、クッションも厚いため快適さが増しています。
操作部にタッチパネルを採用することで、ノイズキャンセリングやBluetooth接続を実現した多機能モデルながら、ボタンは電源のオンオフをする1つしかついていません。また、本体にはセンサを内蔵することで、ヘッドホンを外して首にかけると音楽が一時停止し、頭に戻すと音楽が再開されます。
新しいノイズキャンセリングを実現するため、かなりの投資を実施しました。この部分については新たに2点の特許も取得しています。1つは「アクティブ・ノイズコントロール」です。従来のノイズキャンセリングは完全に外界の音をシャットアウトし、電源をオンにして外界の音をシャットダウンするか、オフにして外部の音を聞こえるようにするか、どちらかしか選択できませんでした。Zik 2.0では、周囲の騒音に合わせてノイズキャンセルのレベルを変更することができます。
地下鉄の車内とオフィスの中とでは騒音の種類も音量も異なりますよね。場所によってノイズキャンセルのレベルを設定できるようになりました。
もう1つの特許が「ストリートモード」です。これは外部のノイズをマイクが拾って、ヘッドホンから音として伝えてくれる機能です。ストリートモードを選択しておけば、音楽を聞きながら、通過する車の音や信号の音もきちんと耳に入ってくるので安心です。加えてハンズフリー通話時にもストリートモードを使えば、自分の声をきちんと聞きながら通話することができます。
従来のノイズキャンセルヘッドホンでハンズフリー通話機能を使うと、自分の声の大きさがわからず、大声で話していました。Zik 2.0のストリートモードでは、音楽再生中に電話がかかってくると、その時点で音楽が一時停止され、ハンズフリーモードに移ります。これで大声で話して周囲に迷惑をかけるといった失敗もなくなります。
アプリは「何よりも使い勝手を良く」をテーマに開発しました。指をスワイプするだけでコントロールができ、iOS、Androidに加えてWindows版も2014年末までに用意する予定です。
アプリで目指したのは、それぞれのユーザーが聞きたい音と形で音楽を聴けることです。例えば、私が聞きたい音とほかの人が聞きたい音は異なりますよね。その個々の違いをきちんと把握し、ユーザーそれぞれが聞きたい形で聴けるように設定できるのが、このアプリです。
そうした使い勝手を提供した上で、オーディオ設定としてコンサートホールやジャズ・クラブなどのエフェクト、アーティストによるオーディオプリセットのダウンロードなども用意しています。また音とは違いますが、アプリの背景画面は、使っているZik 2.0に合わせて自動的に色を同期する機能も備えました。
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