UPDATE 米連邦航空局(FAA)はドローン運用者に対し、商用利用ライセンスの申請を義務付ける予定だと、The Wall Street Journal(WSJ)は本件に詳しい情報筋らの話として報じた。またFAAは、商業分野におけるドローン使用を許可したいと考えているが、無人航空機(UAV)の使用をめぐる規則は、少なくとも最初は厳しいものになる見込みだという。
UAV運用者はまず、ライセンスを申請して付与されている必要がある。FAAによって提案されると考えられる認定には、ドローンが安全に飛行した時間を記録することが盛り込まれる見込みだ。
また、飛行は日中に限られ、400フィート(約122m)よりも上空を飛行することは許可されない見込みである。UAVは、その制御する人の視界内にとどまることが求められるためだ。
WSJによると、重量55ポンド(約25kg)未満の商用ドローンには、モデル種別や機能の違いに関わらず、同じ規則が適用される予定だという。例えば、Boeingの「ScanEagle」は、重量40ポンド(約18kg)、全幅10フィート(約3m)で24時間飛行可能な航空機であるのに対し、SZ DJI Technologyの「Phantom」は、重量2.8ポンド(約1.3kg)の小型クアッドコプターだ。前者は北極圏の調査などに使用されるのに対し、後者は娯楽用モデルである。
ドローン製造費用の低下に伴い、企業らはこの6年間、米国規制当局がUAVの商用利用に対する姿勢を明らかにするのを待ち望んできた。
Amazonがドローン配送サービス「Prime Air」を発表したとき、UAVを利用して「Amazon Prime」会員向け商品を配送するという概念に関して警戒されていた。しかしAmazonはドローン導入に向けた取り組みを全速力で進め、最近では、大規模な試験を目的とするプロトタイプを飛行するための許可をFAAに求めた。
Googleの秘密研究施設であるGoogle X Labから生まれた「Project Wing」は、「Prime Air」のサービス開始時には準備が整う見込みで、 Googleの「Shopping Express」サービスを通して注文された商品を配送する予定である。
現在、ドローンは娯楽目的に使用することが可能だが、企業による使用は基本的に禁止されている。業界における同技術の利用増加に伴って規則が改定されることは間違いないが、本件に詳しい情報筋らによると、FAAのこの度の規則は、プライバシー問題には対処しない見込みだという。消費者には、何がどのようにして記録されるのか、ドローンはどこを飛行することが許可されるのかという疑問が残ることになる。
米規制当局は声明で、FAAが「UAVを、世界で最も混雑し、最も複雑な航空システムに統合すること、そして、機上および地上における米市民の安全を確保するというわれわれの使命を維持しながらこれを実現すること」に取り組んでいると述べた。
FAAの規制案は、2014年末までに発表される予定で、最終的な規制が制定される前に意見公募期間がまず設けられる。このプロセスには数年を要する可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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