モバイル端末向けのセキュリティアプリ「Lookout」を提供するルックアウト・ジャパンは11月18日、スマートフォン紛失に関する調査結果を発表した。
調査は日本国内でスマートフォンを現在持っている、または日常的に使用している18歳以上1000人を対象にしたもの。9月15日から18日まで、Lookoutの委託を受けたIDG Researchがインターネットを通じて実施した。
報告書によるとスマートフォンの紛失は、年齢層と雇用状況で大きな違いが見られた。まず、18歳から24歳の回答者の約45%がスマートフォンの紛失を経験しており、うち15%は年に3回から5回紛失していると答えた。一方で、45歳から49歳の回答者のうち紛失経験があるのは12%で、その頻度は年に2回以内にとどまっている。
また、就業者の24%、退職者の10%と比較すると、学生では圧倒的に多い42%がスマートフォンを紛失している。
スマートフォンを紛失したことがあると答えた人の45%が、公共の場所にスマートフォンを置いて、ついうっかり置き忘れたと回答。スマートフォン紛失の典型的なパターンは、午後(12時から17時の間)、ショッピングセンターまたは公共交通機関で起きているとした。
日本人のスマートフォン所有者の5人に1人がスマートフォンを失くして落胆したことがあり、そのうちの11%は手元に戻ってこなかったことになるという。
スマートフォンに保存されているものは個人の写真や電子メールから銀行や金融に関する情報まで、機密性の高いものが多い。物理的にかかる端末費用を除いて、画像や動画、音楽、アプリ、個人情報などスマートフォンのデータを取り戻すに支払ってもいいと思う金額は、スマートフォンを紛失したことのある人のうち44%が5万円と答えており、5人に2人近くがスマートフォンのデータに対して10万円を支払うと答えているという。
スマートフォンの紛失発生が多い地域は、沖縄が44%で圧倒的に1位だった。県内の45%近くのスマートフォン保有者が紛失や置き忘れの経験があったという結果で、これは全国平均の2倍という。ルックアウトでは「沖縄のおおらかな県民性と関係があるのではないか」と見る。続いて、東北が27%、続いて23%が関東と関西と同位になっている。なお、もっとも紛失が少なかったのは、中国と四国でいずれも15%としている。
世界的に見ると、日本人のスマートフォン紛失件数は他の先進国よりも低いという。紛失を経験しているスマートフォン保有者の比率は日本の場合、5人に1人以上の23%で、イギリスは35%、米国は35%、またドイツでは29%としている。
スマートフォンを紛失したことがある人のうち、89%が最終的に取り戻している一方で、10人に1人はスマートフォンが戻ってこないという現実もある。スマートフォンが戻ってこなかった理由(複数回答)のトップは「いろいろ試したがダメだった」の52%。続いて「盗まれてしまった」が32%と続く。一方で、「取り戻すために何かできることがあると思わなかった」と「取り戻す方法が複雑すぎる、または難しすぎる」がいずれもが28%、「スマートフォンをみつけるために何をすればいいか分からなかった」が16%いたとした。
また、男女で比較すると、多くの男性が携帯キャリアに失くしたスマートフォンの位置検索を頼んでいるという。紛失したことがある男性の22%が端末のIMEI(製造番号)を通信会社に知らせて追跡ができるか問い合わせをしているが、女性は8%に留まっているとした。
Lookoutでは、スマートフォンの紛失を予防し、紛失時にも内容を保護できるようにLookoutでは基本的な対策として、(1)端末にはPINやパスワードを設定すること。(2)端末捜索アプリをインストールして、遠隔操作で端末の位置検索や、ロック実行、データの消去を行えるようにしておくことを呼びかけている。
なお、KDDIとLookoutは10月2日、端末セキュリティをauスマートフォン(Android、iOS)ユーザーに提供すると発表している。これにより、KDDIのオペレーターが、紛失したスマートフォンの位置検索をしたり、遠隔ロックやワイプなどが行えるするものだ。
報告書の全文はウェブサイトで公開されている。
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