UPDATE ニューヨーク市が、時代遅れの公衆電話ネットワークを世界最大、最速の無料市営Wi-Fiネットワークに変更することを計画している。
ニューヨーク市は米国時間11月17日、2億ドル規模の「LinkNYC」計画を市庁舎で発表した。同計画では、市内に設置された数千台の公衆電話を、高さ9.5フィート(約3m)の薄型で洗練されたデザインのホットスポットに置き換え、無制限かつ最大1Gbpsの超高速インターネット接続を提供していくという。
CityBridgeというコンソーシアムが同プロジェクトの入札を勝ちとったが、建設に着手するには複数の市の委員会から承認を得る必要がある。同コンソーシアムには、接続技術を担当するモバイルチップメーカーQualcommや、市内の公衆電話のメンテナンスと広告ですでにニューヨーク市から最大の契約を得ている屋外広告業者Titanなどが参加している。
しかし今回LinkNYCが発表された背景には、地方自治体が運営するWi-Fiプロジェクトの複雑な歴史がある。これまでニューヨーク、フィラデルフィアなど米国の数十都市が同様のサービスを立ち上げ、継続しようと試み、失敗してきた。それでも、この種のプロジェクトは経済活動を刺激し、インターネットに接続できる人とできない人のデジタル格差を減らすのに役立つと市側は述べている。とはいえ、このようなプロジェクトの多くは、市や開発業者が財政、競合、技術上の課題に直面することにより、開始から数年内に廃止か規模縮小となっている。現在いくつかある地方自治体運営のWi-Fiネットワークは、市の中心部のみで1日数時間の提供にとどまっている。
ニューヨーク市民の税金がこの新しいネットワーク建設に投入されることはなく、また市側も新しい契約によって、現在の公衆電話フランチャイズ加盟者から受け取るより数百万ドル多い収入を得られる見込みだ。CityBridgeはこのプロジェクトの費用を引き受ける代わりに、ニューヨーク市全体の主要なデジタル広告枠の販売機会を得る。これは継続的な広告収入をもたらすもので、他のサービスが失敗する中、このプロジェクトは成功するとCityBridgeが信じる根拠はそこにある。
公衆電話6400台をWi-Fiホットスポットに作り替える計画は、2012年に当時の市長Michael Bloomberg氏が最初に発表したもので、2014年5月に提案依頼書が出された。同プロジェクトの最低要件は、無料のWi-Fi接続および緊急通報(911)と行政総合窓口(311)への無料通話だ。ニューヨーク市では2年前から、公衆電話設置場所での無料Wi-Fiホットスポットの提供を試験的に行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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