任天堂は、ドワンゴとニワンゴが運営する動画サービス「niconico」のクリエイター奨励プログラムに対応することを発表。12月1日から同社の著作物を含む二次創作動画やゲーム実況動画などについて、ニコニコ動画に投稿することを公式に容認する姿勢を明らかにした。
クリエイター奨励プログラムは、クリエイターの創作活動支援や二次創作文化を推進する取り組みとして、投稿作品の人気度などに応じて奨励金を進呈するプログラムとなっている。
ユーザーは、任天堂が別途指定する同プログラム対象タイトルの著作物を用いた動画を、ニコニコ動画に投稿し、その動画が任天堂から許諾されれば、許諾された作品はクリエイター奨励プログラムの奨励金支払い対象となる。このプログラムの対象とならない一部のタイトルには奨励金は支払われないが、不適切なものを除き任天堂から個別に許諾されるという。
なお、現状ではニコニコ動画のみの対応で、事前に内容が確認できないリアルタイム配信のニコニコ生放送やニコニコ静画には対応していない。奨励金の対象となるタイトルは任天堂の全タイトルではないものの、ファミコンの「ゼルダの伝説」、「スーパーマリオブラザーズ」、「メトロイド」、スーパーファミコンの「スターフォックス」、Wii Uの「ピクミン3」、「マリオカート8」をはじめとした250タイトル以上に対応。今後も対応タイトルは増やすとしており、タイトルリストは後日公開する。
11月17日に行われた「ニコニコ超会議2015発表会」では、ゲーム特化イベント「闘会議2015」に向けたビデオメッセージで、任天堂代表取締役社長である岩田総氏がこの件について触れた。岩田氏はゲームを通じたコミュニケーションにはさまざまが形態があるなかで、ニコニコ動画で盛り上がりを見せるゲームの実況動画も新しいコミュニケーションの形であり、ユーザーからの人気を得ていると説明。それはゲームの作り手の立場から見ると、ゲームの魅力を広めることに大きく貢献している側面がある一方で、ゲームの価値や魅力を損なう動画については黙認できないこともある。さらに、そもそも正式な権利許諾をしていないことから、ユーザーが安心して二次創作に取り組めない状況もあったと指摘する。
岩田氏はゲーム文化の裾野をより一層広げるために、ゲーム実況のみならず「弾いてみた」や「描いてみた」などの二次創作動画の投稿をプログラムの範囲内で適用。「ニコニコ動画で活躍する作り手が、安心して創作できる環境に向けて協力していく」と語った。
任天堂は5月に、同社の著作物を含む映像を「YouTube」に投稿することについては、許諾していることを表明している。今回の件も含めて、自社タイトルに関する動画を増やし拡散するして広める狙いがあるとみられる。
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