本書は「法律を学ぶ人向け」と紹介文にあるが、今や「リーガルマインド」は、法律を学ぶことを目的としていない人であっても、身につけておくべきスキルではないだろうか。法律は意外に身近なものだ。会社に勤めている人なら、労働基準法を知っていれば自分の身を守れる場合もあるし、身内が亡くなったら、相続などの複雑な法的手続きが必要になってくることもある。何も分からなければ言われるがままに動くしかなく、何が行われているのか分からないままになってしまう。
本書で著者は、身近なことを例に取って、とっつきやすい話をしたところで、実際の条文の解説を行い、さらに練習問題で理解を深められるようしている。たとえば、トイレの張り紙の文章のことや、会社からの通達など、「あるある」と思うところから入るので、非常に読みやすい。
もちろん難しい法律を、すべて自分で理解できるようになることは難しいが、法律とはどのような形式で書いてあるもので、どのように読むべきなのか、また、身近な現実に当てはめるとすると、どのようなことになるのかくらいは知っておくと、いざといういう時に役立つ。そして、法律を読めるようになることは、もう少し身近な規約や約款、契約などを、読んだり作成したりするのにも役立つのだ。
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