パイオニアは11月7日、2015年3月期第2四半期決算(7〜9月)を発表した。市販カーナビの低価格化やホームAV製品の販売減少などから、売上高は前年同期比3.5%減の1226億円、営業利益は同62%減の31億円と、減収減益となったが、営業利益は計画を上回った。計上損失は同72億円の黒字から11億円の赤字、当期純損失は51億円の黒字から3億円の赤字となった。
上期(4〜9月)累計では、円安効果はあったもののホームAV製品の販売減少、市販カーナビの低価格化などから、売上高はほぼ前年並みの2359億円、営業利益は原価率の良化により同5.9倍の34億円となった。経常損失はマイナス14億円(前年同期はマイナス20億円)、当期純損失はマイナス24億円(同マイナス50億円)と、ともに赤字幅を縮小している。
今後の経営の軸となるカーエレクトロニクス事業は、売上高が前年同期比3%減の862億円、営業利益が同24億円減の36億円となった。OEMでのカーオーディオ、カーナビが好調だったものの、市販カーナビの販売減が響いた。
一方ホームエレクトロニクス事業は、売上高が同14%減の256億円、営業利益が17億円減の7億円となり、売上減が利益の減少に結びついた。AVアクセサリが良かったものの、ホームAV、光ディスクドライブは、引き続き厳しい環境になったようだ。FA機器や地図ソフトなどを持つその他事業は、売上高が23%増の109億円の増収になったものの、営業利益は2億円減の2000万円となった。
市販カーナビの低価格化については「2013年に10万円だったモデルが8万円に下がったということではなく、ラインアップの中で今までメインの売れ筋が10万円だったのが、その下のクラスに移っている感覚。また、低価格商品のポータブルナビは、市場がスマートフォンに変化してきており、販売台数が減少している」(パイオニア代表取締役兼社長執行役員の小谷進氏)と現状を話した。
同日には、DJ機器事業の譲渡とホームAV事業に関するオンキヨーとの統合に向けた最終合意についても発表。それらを加味した、今後の成長戦略ついても説明した。
カーエレクトロニクス市場については、OEMでは「キーサプライヤー」、市販では「新価値提案の先駆者」としての地位を確立することで、経営基盤の強化を目指す。高い利益性を維持するカーAV製品は現状を維持しつつ、地図関連やテレマティクスなどのソリューション事業、ヘッドアップディスプレイ(HUD)などの周辺機器といった新規領域を手がけていくとのこと。
こうした取り組みにより、2017年度には売上高3950億円、営業利益率5%以上、2020年度には売上高4350億円、営業利益率6%以上を数値目標として据える。
2015年3月期の通期業績予測については、売上高5150億円、営業利益125億円と前回数値を据え置いたが、DJ機器事業の譲渡やグループ全体のスリム化などを反映し、当期純利益を前回予想の20億円から200億円へと上方修正した。
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