ネット家電メーカーであるCerevoは10月31日、ハードウェアの開発・検証施設である「DMM.make AKIBA」内にオフィスを移転したことを発表した。同施設はDMM.comが運営しており、秋葉原の富士ソフト秋葉原ビル内に開設された。
DMM.make AKIBAは、開発・検証施設「DMM.make AKIBA Studio」、オフィススペース「DMM.make AKIBA Base」、コンサルティングサービス「DMM.make AKIBA Hub」の3フロアで構成されており、ハードウェアスタートアップの製品開発に必要な環境が整っている。
DMM.make AKIBA Studioは、CNCなどの各種工作機械や、チップマウンタをはじめとする部品基盤の実装が可能な設備、量産試作の開発・検証に必要な最新の設備などを導入した総合開発施設。製品の開発はもちろん、各種認証試験や耐衝撃試験など、開発から小ロット量産までの工程をトータルで実践できる。操作に特定の知識が必要な設備は常駐スタッフが代行するほか、適宜開催するワークショップを受講し、ライセンスを取得すれば自分で設備を操作できるという。
DMM.make AKIBA Baseは、発表会やセミナー、イベントも開催できるオフィスエリア。自由に移動できるフリーアドレス型のオフィススペースと、3人以上を対象とした個室型のオフィススペースを用意。約60人が座れるイベントスペースが2カ所あり、プロジェクタや音響設備も完備している。スクールやワークショップ、展示会などで活用できるという。
DMM.make AKIBA Hubは、ハードウェア開発にまつわる各種相談を受け付ける窓口。DMM.make AKIBA StudioやDMM 3Dプリントの設備を利用した試作・造形の相談のほか、部品選定や工場選定のノウハウ、プロトタイピング開発や起業のための資金調達など、ハードウェアビジネスの展開に必要なノウハウをトータルでコンサルティングするとしている。
Cerevoは同施設に導入する設備の監修を手がけたほか、電子機器設備の運営を担当。また、10月31日より本社機能をDMM.make AKIBAの12階内執務スペースへ移転する。DMM.make AKIBAに導入された最新の設備をCerevoの製品開発に活用することで、開発期間を短縮できるほか、製品の試験繰り返しの試作・検証が容易になるとしている。
同社では、ネットワーク対応デジタルカメラ「CEREVO CAM」、デジタルカメラだけでUstream配信ができる「LiveShellシリーズ」など、ニッチマーケットを狙った世界初の商品を多品種開発し、少量ずつさまざまなな国で販売する“グローバル・ニッチ戦略”を強みとしており、オフィス移転を機にこれをさらに推し進めるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)