UPDATE かつて「Google Wallet」を開発し、PayPalでエンジニアリング部門の責任者を務めたこともあるOsama Bedier氏が、多様化する決済方式に解決策を見いだそうと、ほぼすべての方式に対応可能な決済端末を開発した。
Bedier氏が設立した中でも最も新しい企業Poyntは米国時間10月29日、新しい決済端末を発表した。これは米国でこれから必須となる、決済インフラの大規模な改修から利益を得ることを目指した製品だ。米国では、すべての店舗が2015年10月までに、今の決済システムをチップアンドピン(ICチップと暗証番号による決済)に対応したシステムに交換することが義務付けられている。これは、現在のクレジットカードやデビットカードで広く使われている磁気ストライプよりもはるかに安全性が高い、EMV基準のチップ内蔵カードを利用できる決済システムだ。
「既存の小売店の大半には、我々が持つスマートフォン端末とやりとりができるような高機能のコネクテッドデバイスの用意がない」とBedier氏は指摘している。
そこで、Googleの「Android」OSをベースにしたシステムを搭載する自らのマシンならこの問題を解決できると、Bedier氏は考えた。
Bedier氏率いる新しいチームが開発したオールインワン型の決済デバイスは、タッチスクリーンとバーコードスキャナ、プリンタを内蔵している。形と大きさは標準的な決済端末(レンガより少し大きな、中小規模の店舗で見かける大型の計算機のような端末)によく似ているが、複数の決済方式に対応し、APIも用意されている。そのため、開発者が専用アプリを開発することが可能だ。また、無線機能も備えたこの端末には、決済処理や簡単な分析ができる3種類のアプリがあらかじめインストールされている。Poyntでは、価格299ドルのこの端末を、2015年初めから小売店向けに出荷を開始する計画だという。
Poyntはこの日、APIも併せて公開し、開発者がお得意様向けプログラムや、より複雑な分析などの機能を追加できるようにしている。Vend、Kabbage、Swarm、Boomtown、Bigcommerce、Intuitの開発企業6社が既にアプリを開発中である。
さらに重要なのは、Poyntが銀行と提携することで、これら端末の商店への導入を促進する点だ。EMV技術追加の義務づけは銀行業界から来ていることからPoyntに配布面で有利になる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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