サンフランシスコに拠点を置くNextbitは、Googleに長年勤務したTom Moss氏とMike Chan氏が創設した企業で、Accel PartnersとGoogle Venturesから出資を受けている。Nextbitはモバイルとクラウドの世界でひっそりと開発作業を続けてきたが、米国時間10月27日、遂に同社初の製品「Baton」を披露した。Batonは、Androidデバイス間でアプリのシームレスなハンドオフ(引き継ぎ)を実現するサービスだ。
クラウドをAndroidの奥深くに組み込むことで機能するBatonを利用すれば、ゲームをダウンロードして、最初の面をプレイした後、そのゲームプレイを近くにあるタブレットに手渡して、次の面のプレイを続けることができる。あるいは、1つのデバイスでウェブサイトを読み込んだ後、そのサイトを別のデバイスに表示させることも可能だ。
Chan氏はインタビューの中で、「Batonによって、われわれはデバイス間の障壁を打ち崩すことに注力したいと考えている。こうしたデバイス間での作業の引き継ぎは、誰もが経験したことのある問題だ」と述べた。
27日に「Re/code Code/Mobile」カンファレンスでBatonを初披露したNextbitは、何を開発しているのかについて話すことを拒んできたため、ちょっとした悪評を得ていた。新興企業の同社は、HTCの元デザインチーフであるScott Croyle氏など、優秀な人材を大勢獲得してきた。
最初の展開は限定的なものになる。なぜなら、Nextbitは携帯端末メーカーと連携して、BatonをOSに直接組み込む必要があるからだ(Batonをアプリという形で追加することはできない)。しかし、OSに直接組み込むことで、Nextbitは個々のアプリ開発者に対処する手間を回避している。同社は、自らダウンロードした普通のアプリ群を使って、ハンドオフ機能をテストすることができた。
Batonは「CyanogenMod」を搭載するデバイスで、ベータ版として利用可能になる。CyanogenModは、GoogleのAndroidをカスタマイズしたOSだ。Moss氏によると、CyanogenModとスマートフォンメーカー数社が2014年中にBatonを商用公開する見通しだという。
ハンドオフに加えて、Batonは完全なクラウドバックアップ機能も提供するので、デバイスを置き換える必要が生じた場合、ユーザーは自分の設定とファイル、文書をすべて復元することができる。Moss氏によると、同氏が取り組んでいる次の製品は、クラウドを通してスマートフォンのストレージを拡張する機能で、ユーザーがデバイスに保存するファイル数に応じてクラウドのサイズが増減するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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