UPDATE サンフランシスコ発--Evernoteの最高経営責任者(CEO)を務めるPhil Libin氏は米国時間10月2日、同社が主催するEvernote Conferenceで、メモ作成コラボレーションシステム「Evernote」の新機能を発表した。注目すべきは「Work Chat」と「Context」の2つで、どちらも同システムをより使いやすくすることと、月額10ドルを支払うビジネスユーザーにとってさらに価値あるものにすることが狙い。
Work Chatは、Evernote内でリアルタイムにチャットするための機能だ。システム内で一緒に作業しているユーザーや、Evernoteを使用する他の任意のユーザーとチャットできる。
チャットでは、メッセージ、リンク、ノート、さらにはノートブック全体を共有できる。複数のユーザーが同じメモを同時に参照していることを確認し、そのメモに関するチャットを開始することも可能だ。Work Chatは、「Android」「iOS」「Mac」「Windows」を対象に2014年末に提供される予定。
もう1つの目玉機能のContextは、ユーザーがEvernoteに作成または保存した内容に関連する情報を自動表示するもの。表示される情報には、過去に保存したメモや共同作業者が保存した項目に加えて、The Wall Street Journal、Fast Company、TechCrunch、Inc. Magazineからのニュース記事などが含まれる。誰かの名前を入力した場合は、LinkedInの情報を表示することもできる。「Evernote Business」の会員は、Dow JonesのFactivaから情報を取得することもできる。Contextは、Android、iOS、Mac、Windowsを対象に2014年中に提供開始される予定。
Libin氏はさらに「Scannable」も披露した。これは、スマートフォンのカメラを使って書類や名刺、レシートをスキャンし、新規ノートに変換する新しいスタンドアロンアプリだ。このアプリを開いていれば、カメラのシャッターを切る必要もなく、カメラの方で文書を認識してキャプチャしてくれる。Evernoteの既存アプリにも同様の機能はあるが、Scannableの方がはるかに高速で簡単に処理できるはずだ。Scannableは「ScanSnap Evernote Edition」とも連携する。Scannableアプリは今後数カ月以内にiOS版が公開される。Evernoteはさらに、デザインを刷新したiOS向け手書きアプリ「Penultimate」も近くリリースする予定だ。
最後に重要なこととして、Evernoteはウェブクライアントを簡素化し、ノートを書き始めるとナビゲーションバーが消えるという非常にすっきりしたデザインを採用した。機能を犠牲にすることなく、できる限り最小限に抑えたデザインだ。Libin氏によると、これは、多くの機能に圧倒されてしまうのを敬遠する新規ユーザーや、どこにいてもとにかくすぐにメモしたい人向けに設計されているという。このデザインは非常に魅力的で、筆者はEvernoteがこのうちいくつかの要素をデスクトップクライアントにも組み込んでくれることを願っている。新しいデザインは2日より利用可能で、オプトインで使用することも、これまでの表示がよければそのままにしておくこともできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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