オンラインオークションサイトのeBayは米国時間9月30日、2015年にPayPal部門を分社化し、別の上場企業にする予定であることを明かした。
分社化により、2人の新しいリーダーが誕生する。eBay MarketplacesのプレジデントDevin Wenig氏がeBayの新最高経営責任者(CEO)に就任し、American ExpressのEnterprise Growth GroupのプレジデントDan Schulman氏がPayPalの新CEOを務める予定だ。
eBayの現CEOのJohn Donahoe氏と現最高財務責任者(CFO)のBob Swan氏は、新経営陣への移行作業を助ける予定だが、その後はいずれの企業でも経営幹部としての役割は果たさない。分社化は2015年後半に実施される予定だ。
eBayが2002年にPayPalを15億ドルで買収して以来、両社の関係はぎこちないという印象を与えてきたが、今回の動きでこれに終止符が打たれる。PayPal買収は当初、eBayがオークション参加者を同オンライン決済サービスに誘導することで、PayPalの取引量を押し上げる手段と宣伝された。しかし、eBay自体は、トラフィックの誘導を除けば合併に大きな利点はないということに気づけなかったようだ。
Donahoe氏は声明の中で、「同社取締役会と徹底的な戦略的検討を行った結果、2015年以降もeBayとPayPalを一緒にしておくと、戦略と競争の両面でそれぞれの事業への利点は明らかに少なくなると判断した。業界の情勢は変化している。eBayとPayPalの事業はそれぞれ異なる競争機会と課題に直面している」と述べた。
分社化は、物言う投資家Carl Icahn氏の支持する計画が発端となっている。Icahn氏は2014年1月、eBayが控えめな四半期予測を提示したことを受けて、分社化を求めて動き始めた。同社の声明にIcahn氏の名前はなかった。同氏は3月、新規株式公開(IPO)を通してPayPalの20%を売却する代替計画を提案した。自身のブログに投稿した声明の中で、Icahn氏は今回の分社化計画に満足していると述べた。
「これらの素晴らしい資産の価値を高め、それによってすべての株主にとっての価値を大幅に増大させるために、両社は分離すべきだ。これは『自明の理』と言ってもいいほど簡単なことだ」(Icahn氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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