セガネットワークスの「Noah Pass」が見出した“B to B Sharing”--異業種協業を加速

 セガネットワークスは9月25日、メディアカンファレンスを実施。スマートデバイス向けマーケティング支援ツール「Noah Pass」の事業戦略と新作タイトルの発表会を開催した。

無料相互送客システムが生み出した“B to B Sharing”のエコシステム

 冒頭ではセガネットワークス代表取締役社長CEOの里見治紀氏が登壇。これまでのセガネットワークスの歩みや展開を紹介。同社はスマートデバイス向けゲームに特化した会社として2012年7月に設立。国内では「ぷよぷよ!!クエスト」や「チェインクロニクル」のヒットでも知られているが、海外ではソニックシリーズなどもヒットしており、多彩なポートフォリオが強みと里見氏は語った。

  • セガネットワークス代表取締役社長CEOの里見治紀氏

  • 売上も順調に伸びており、あくまでも予想としながらも、直近となる第2四半期の売上は110億円にものぼる見込みであると示した

 セガネットワークス上席執行役員事業本部長の岩城農氏からは、ゲームアプリに加えて展開しているNoah Passの特徴と今後の展開について説明がされた。Noah Passは、アプリの相互送客システムを主軸としたマーケティング支援ツール。特徴は手数料無しの無料で参加できること。集客単価の低減や継続率、課金率の向上などが効果的であること、また戦略制約がないことやタイトル単位での参加が可能といった、オープンな状態であることを挙げている。9月の段階で参加社数は73社、参加アプリは304と国内最大級の規模に成長したとしている。

  • セガネットワークス上席執行役員事業本部長の岩城農氏

  • Noah Passの3つの特徴

  • 国内におけるNoah Passの利用データ

 岩城氏はそんなNoah Passの相互送客が一定の成功を収めたことを、“B to B Sharing”における好事例のひとつととらえているという。トラフィックを企業同士でシェアしていくことにより、ひとつの成功がより大きくなり、さらに成功の効果を増幅させたとしている。結果としてゲーム会社は、1タイトルの成功に向けて集中して制作できるメリットがあったという。

  • Noah Pass内広告と有料広告の比較。アドネットワークや有料リワード広告とは、自社比で約3倍の効果があるという

  • Noah Passの相互送客そのもののイメージ

  • B to B Sharingのキーワードのもと、広い視点で見たときのゲーム業界のイメージ

 そしてゲーム業界全体は、ゲームを開発していない会社まで含めて形作られている業界であり、B to B Sharingのキーワードのもと新たな価値を生み出すことが、ゲーム会社がゲームの開発に専念できる環境を作るという本来の目的につながるとしている。その新たな価値の創造がNoah Passの次のビジョンであり、その展開を一言で言うと異業種協業だという。

 異業種協業でできることといえば、それぞれの専門分野を生かした効果的な交流やリソース制約からの開放、また単一企業では具現化できない取り組みが実現できるなどのメリットが考えられる。自前主義にとらわれず新たな製品やサービスをバランス良く生み出していき、そしてより多くの良質なコンテンツが提供できる市場の実現を目指すのがNoah Passの次のビジョン。ゲーム業界以外の会社からでも「最もオープンで、最も効果的で、最も参入メリットの高い、そんなエコシステムとして発展していくことをビジョンとして描いている」(岩城氏)という。

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