フリマ元祖「Fril」が10億円調達--メルカリとは「真っ向勝負しない」 - (page 2)

井指啓吾 (編集部)2014年09月25日 08時00分

 ヤフオク!は、僕の認識では(個人よりも)業者がよく使っているイメージが強いです。出品者でいうと「スモールB」と呼ばれているような、ほぼBに近い業者が使っている認識。いまフリマアプリとヤフオク!の棲み分けができているのは、フリマアプリが学生や主婦層など個人が使っている(出品している)から。

 また、スマートフォンのコミュニケーションだと、オークションサイトじゃなくてアプリが正解だったのかなと感じます。取引の時間も短いですし、購入者側からしたら落札まで待たなくてもいいので。

 ヤフオク!をはじめとするオークションサイトは、PCが必要だったり、最初に有料会員に登録しなければいけなかったりと、個人がやるにはハードルが高かった。フリマアプリであればアプリをインストールして写真を撮るだけで使えるので、敷居が低い分有利です。

――今後、ユーザー層が重なる時期がくるかと思います。

 フリマアプリ市場は1000億円くらいとされていて、それ以上先はヤフオク!のシェアをいかに奪うかが重要になると言われています。ヤフオク!のユーザー層、いわゆる業者の層をフリマアプリが取りにいくかどうか、ということになると思っています。

 今のところ、C(学生や主婦など)とB(業者)を同じ箱に入れてしまうと、Cが死んでしまうんですよね。たとえば、Bは1日に100品とか500品とか出品できるのですが、Cでそれをやるのは厳しい。そうするとやっぱりBの商品が多くなってしまって、Cの商品が売れにくくなる。それでCが離れていってしまう。ヤフオク!はすでにそういう生態系になっているのかな。

 フリマアプリでヤフオク!の領域を攻めるのは、少し難しいかなと思いますね。……どちらかというと戦いたくないので、できれば戦わない方向で頑張りたいなとは思ってるんですが(笑)。

――BtoCでいうと、Frilは人気ブランドの公式ショップを開設する取り組みを始めました。開始から約1カ月が経って、手応えはありますか。

 ブランド側からお声がけいただいたのがきっかけで、アプリでECを試してみようと思い、実施した取り組みです。これまでに2つのブランドを展開したのですが、片方のブランドは納品してもらった商品の約6割が売れて、100万円程度の売上が出ました。Fril内で人気のブランドは、やはり売れることがわかりました。

 手数料は、商品の撮影と梱包をこちらで請け負うため、CtoCの手数料(商品代金の10%)よりも高く設定しています。

――EC市場といえば、楽天やアマゾン・ドット・コムといった強力なプレイヤーがいます。

 そうですね。ただ、アプリのECの世界には勝者が存在していない。今後どうなるかは、まだわかりません。

――最後に、今後の意気込みを聞かせてください。

 僕らがサービスや定義を作った“フリマアプリ”というものが、これまで(ネットでの個人間売買などを)やったことのなかった人のライフスタイルを変えたと思います。「ヤフオク!は難しくて使えなかったけど、Frilでは簡単に物を売れた」という声もあります。

 規模で言うとメルカリがとても大きいです。僕はそれと真っ向勝負しようとは思っていません。シェアを追求するというよりは、今まで通りユーザーのほうを向いて、ライフスタイルを良くするようなプロダクトを作っていきます。


Fablicのオフィスにて。かわいらしいグッズがたくさん置いてあった

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