グーグルは、ゲームの見本市「東京ゲームショウ2014」の初日となる9月18日に「Googleが切り開く新しいゲームの世界」と題する基調講演を実施。Google Play アジア太平洋地域ディレクターのクリス・ヤーガ氏が登壇し、モバイルがゲームに与えた影響や、同社のアプリ開発者向けの取り組みなどを語った。なお、グーグルが東京ゲームショウに参加するのは今回が初めてだ。
ヤーガ氏は冒頭、これまでのゲームの歴史を振り返った。もともとゲームセンターから始まったビデオゲームは、家庭用ゲームへと主戦場を移し、現在はモバイルがその地位を奪いつつある。同氏は、従来のゲーム機とスマートフォンなどのモバイル機器の最も大きな違いは、常に“手元にある”ことだと語り、ゲームに親しみがなかった人でも気軽に遊ぶようになったことが大きな変化だと説明する。
現在、世界には10億人のAndroidユーザーがおり、1日に150万台もの端末が新規にアクティベートされているという。また、Android端末は190カ国、329キャリアで販売されている。同社では、2013年6月に友人とスコアを競い合ったりできる「Google Play ゲーム」を公開したが、2014年にはわずか6カ月間で新規ユーザーが1億人を超えたという。また、日本のアプリ開発者の登録数もこの1年で2.5倍に増加しているそうだ。
Google Play ゲームのプレイデータなどは、Androidに対応したテレビやPC、タブレットなど複数の機器で同期でき、シームレスに端末を切り替えて遊ぶことができる。今後は「Android Wear」など腕時計型の端末にゲーム内イベントの通知をするといった使い方も考えられるとヤーガ氏は語る。なお、同社は2014年後半にAndroid OSを搭載したテレビ「Android TV」を発売する予定だ。
では、Google Playにはどれほどのビジネスチャンスがあるのか。ヤーガ氏は、2013年6月から約1年間で50億ドルの金額をアプリ開発者に支払っていると語り、Google Playを通じて十分な報酬を得ることができると強調する。この数字は、1年前と比べて2.5倍に増加したそうだ。また、全世界におけるトップ30のうち5タイトルが日本や韓国を中心としたアジアのゲームなのだという。
日本のゲーム内容は海外では受け入れられづらいと言われることもある。この点についてヤーガ氏は、パートナーの開発各社は海外展開をする際に、ゲームの導入部分のストーリーを日本向けのものよりも短くして、ユーザーがすぐにプレイできるようにするなど調整を加えていると説明。「日本のRPGのテイストは文化の壁を越えられないと言われることもあるが、うまく調整しているデベロッパはグローバルでも成功を収めている」と語った。
また、グーグルではアプリの開発から販売、収益化、分析にいたるまで、すべてのフローで開発者を支援する仕組みを設けており、海外展開のために翻訳エージェンシーのマッチングもしていると説明する。クレジットカードやキャリア課金、ギフトカードなど幅広い決算手段に対応していることも強みだとした。
さらに、クラウドセーブやクエストなどの機能をアプリに組み込めるさまざまなAPIも提供している。今回、新たに自分の近くにいる相手と一緒に遊べる「近距離対戦」機能を実装することも発表された。
講演の終盤には、ゲストとしてミクシィ代表取締役社長の森田仁基氏が登壇。1300万ダウンロードの快進撃を続ける「モンスターストライク」について、App StoreよりもGoogle Playの方が売上げが高いことを明らかにした。また、5月の台湾を皮切りに海外進出もしているが、10月に北米で、12月までに韓国で提供予定であることもあわせて発表した。
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