Mozillaは、さまざまなプラットフォームに対応するウェブページのデバッグ作業を1カ所から行えるようにするプロジェクトを明らかにした。このプロジェクトが完了すれば、ウェブ開発者の作業はずっと楽になるはずだ。
インチ規格のボルトに対してセンチ規格のレンチで悪戦苦闘する場合のように、ウェブ開発者たちは現在、ブラウザごとに異なる開発ツールを用いてコードをデバッグしなければならない状況にある。
しかし、米国時間9月11日にMozillaから新たにリリースされた開発者向けアドオンを利用することで、ウェブページを作成する開発者は、「Android」版の「Google Chrome」や「iOS」版の「Safari」向けに記述したコードを「Firefox」からテストできるようになる。「Firefox Tools Adapter」という名前のこのアドオンを用いることで、スクリプトのデバッグや、開発者向けコンソールを通じたウェブコードの実行、「iPhone」や「iPad」、Android機器上でのサイトのレイアウト変更が可能になる。
この実験的なアドオンは、Firefox開発チームがAndroid版Firefoxや「Firefox OS」のデバッグ時に内部で使用しているものと同じツールから派生しており、これによって開発者は、上述したデバイスを自らのデスクトップPCに接続したうえで、Firefox上のツールからAndroid版のGoogle ChromeやiOS版のSafariでのテスト作業を実施できるようになる。
開発者らは現在、ブラウザごとに用意されている異なったデバッグツールに習熟する必要があり、そのために時間を(場合によっては丸1日)かけなければならない状況に置かれている。
Mozillaの主席開発者エバンジェリストであるChristian Heilmann氏は米CNETに対して「デバイスをまたがったデバッグは深刻な悩みとなり得る」と語った。
Firefox Tools Adapterは今のところ、Firefoxのナイトリービルドでのみ動作する。ただ、Firefoxの開発者向けツール担当ディレクターであるDave Camp氏によると、対象となるビルドを拡大し、最終的には4~5カ月後をめどに安定ビルドでも動作できるようにしたいという。
Camp氏は、「同アドオンは最先端の技術を使用しているため、ナイトリービルドを使用してもらわなければならない」と述べたうえで、同アドオンにはまだ荒削りなところがあると付け加えた。このため、今のところは同アドオンが完璧に動作すると期待してはいけない。
Camp氏によると、このFirefoxアドオンがSafariやGoogle Chromeの開発者向けツールとやり取りできるようにするのは簡単な作業ではなかったという。同氏は、さまざまなブラウザ上の開発者向けツールとやり取りできるようにするのは、例えば「dog(犬)」という単語を別の言語に翻訳するようなものだと述べた。つまり、場合によっては同じか、似たような単語になるものの、それ以外ではまったく異なった単語になるということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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