身につけるロボ「アシストスーツ」が実用化目前--課題と現状とは

加納恵 (編集部)2014年09月11日 17時52分
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  • アクティブリンク代表取締役社長の藤本弘道氏

 アクティブリンクは9月11日、重量物の上げ下ろし動作時の身体負担を軽減する「アシストスーツ AWN-02」の技術説明会を開催した。2015年の実用化を目指し実証実験などに取り組む代表取締役社長の藤本弘道氏がアシストスーツの市場動向や現状について語った。

 アクティブリンクは2003年にパナソニック(当時は松下電器産業)の社内ベンチャー制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」によって設立された企業。2013年3月には、三井物産と業務、資本提携を結び、現在資本比率はパナソニック79.6%、三井物産19.6%となっている。

  • プロトタイプ開発の変遷

 年齢や性別に左右されず思い通り動くことができる“パワーバリアレス社会”の実現を目標に掲げ、創業から2014年までに汎用パワードスーツや医療・介護用途向けパワードスーツのプロトタイプを数多く開発してきた。

 AWN-02は、重作業支援向けに開発されたアシストスーツ。重量物の持ち上げ動作時における腰への負担を軽減することができ、15kgfのアシスト力を持つ。アシスト自転車に近い原理で動作しており、汎用性が高いことが特徴。背中に背負うように装着するリュック型で、装着にかかる時間が短いこともメリットだ。

 上体が引き上げられる「アシストモード」、上体が保持される「ラチェットモード」、自然に歩行ができる「歩行モード」と3つのモードを備え、モードは肩部分に装備されたボタンから切り替えが可能。これらのモードを装備することで、重量物の持ち上げ作業をサポートする。

 本体重量は約8kg。この重量はすべて装着している人の負担になるため、現在は軽量化に向け取り組んでいるとのこと。量産時には7kg以下を目標重量に設定している。アシスト能力は重量物の持ち上げを繰り返すことで発揮され、一度の作業では効果が実感しづらいとしている。

  • リュックのように背中に背負う形で装着する

  • 後ろからみたところ

  • 持ち上げる際は上体が保持されるラチェットモードを使用する

 すでに、大阪府大阪市で港湾運送や貨物取扱をしている辰巳商會で実証実験も実施。コンテナからパレットへの積み込み作業などに使用されている。実使用においては「機能的には完璧ではないが、道具として使えば実用として機能する」とのことだ。

 藤本氏は「AWN-02の量産時期は現状2015年度中と考えている。価格については検討中だが、私自身の気持ちとしては1台あたり50万円程度で世に出せるようにしたい」と現状を話す。

 パワーアシストスーツは、2020年には約300億円、2024年には約1000億円の市場規模が見込まれている。アクティブリンクでは、今回のAWN-02を皮切りに2016年には農作業時での重量物持ち上げなどができる「パワーローダーニンジャ PLN-03」、2019年には100kgfに近いアシスト力を持つ「パワーローダーライト PLL-X」の開発計画を掲げている。

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