最初の「iPod」は、13年前の2001年10月に登場した。売り上げが落ち込み、会員制ストリーミングサービスを利用するユーザーが増えても、iPodは長年にわたり、Appleの中核製品カテゴリの座にとどまった。だが、Appleが米国時間9月9日に「iPhone 6」と「Apple Watch」を発表し、より大画面のスマートフォンや手首に装着するウェアラブル機器へと軸足を移す中で、スタンドアロンのMP3プレーヤーは、販売を継続するには時代遅れになりすぎた。
Appleのオンラインストアが9日午後12時頃(太平洋時間)にメンテナンスから復旧したとき、2007年に誕生し、タッチスクリーンを持たないApple最後の音楽プレーヤーとなった「iPod classic」はオンラインストアから消えていた。
Appleが第6世代のiPodに別れを告げても意外ではない。iPod classicは、最終的に容量が最大160Gバイトとなり、販売ピーク時の2008年には、iPodシリーズ全体の出荷台数5483万台のうち、大きな割合を占めた。だが、Appleの「iPhone」や、その競合製品である「Android」搭載スマートフォンの販売がMP3プレーヤー市場を侵食し始める中で、iPod出荷台数は着実に下降線をたどりだす。その一方で、タブレット製品の「iPad」のような新しいデバイスフォームファクタが、新たな市場を開拓した。
その間ずっと、iPod classicは持ちこたえてきた。値下げ(2009年9月には160Gバイトモデルの価格が249ドル)と、熱心な音楽ファンの間で「実用本位のMP3プレーヤーを求める者にとって最高の万能ガジェット」と位置づけられていたおかげで、iPod classicは、Appleファンの心の中でノスタルジックな位置を占めた。それに、愛すべきクリックアンドホイールを誰が忘れられようか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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