Amazonの「Fire Phone」を使ってみた人に、核心を突く質問をしてみよう。「どのようなメリットがあったか」と。
Amazon初のスマートフォン、Fire Phoneを購入する際、筆者にとって意味のある理由は1つしかなかった。経費で落とせる最新機器ということだ。しかし、この端末(通信契約なし)に650ドルを支払って購入してから1カ月ほど経ってもなお、ポケットの中でずっしりと重い負担になっているという気持ちを振り払えずにいる。
だが、どうやら世間の人々はそれほど財布のひもが緩くないようだ。
The Guardianが報じた最新のデータが示すところでは、Amazonが過去2カ月で販売したFire Phoneの数は「せいぜい」3万5000台でしかなったという。この数字はChikitaとcomScoreのデータから算出されたものだ。
これに対して、Appleは「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を発売した最初の週末に900万台を売り、サムスンは「GALAXY S5」を発売した月に1100万台売った。
いまや沈みゆく船とも言うべき、かつての携帯電話大手企業Nokiaでさえ、デバイス事業をMicrosoftに買収する直前の会計報告によれば、スマートフォン「Lumina」を1四半期に800万台販売している。
もはや間違いはない。Amazonのスマートフォン市場への参入は、良く言っても中途半端であり、それはある理由によるようだ。The GuardianのCharles Arthur氏は、「Fire Phoneは、芸達者というよりも単に珍しいだけのものに見える」と、その理由を率直に述べている。
Fire Phoneは「目的の煉獄」に陥っている。一般的なスマートフォンユーザーに欲しいと思わせる決定的な機能を提供していないのだ。
確かに「Dynamic Perspective」ディスプレイは、三次元視覚効果でユーザーを驚かせる(少なくとも最初は。だが、すぐに慣れてしまう)。また、瞬時につながるビデオベースのカスタマーサービス「Mayday」や、ユーザーの周りにある物をスキャンすると、Amazonで一致するものを探す「Firefly」もある。
しかし、日常生活においてますますパーソナルなものになりつつあるテクノロジに、潜在的顧客を夢中にさせるような実用的機能を、Fire Phoneは何も提供していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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