UPDATE 動画ストリーミングサービスの強化を図るAmazonが、ライブストリームビデオゲームサイトのTwitchを現金9億7000万ドルで買収する計画だ。両社が米国時間8月25日に発表した。
この買収は、Amazonによる動画ストリーミングサービスの拡大につながる。同社は、提供開始してからまだ間もない「Amazon Prime Instant Video」ストリーミングサービスで、同業界大手のNetflixに対抗しようとしている。Amazonは、オリジナルコンテンツの開発を含めて、動画サービスの拡充に力を入れることを明言している。今回の買収は、Amazonにとって過去最大規模の買収の1つである。
Twitchは、ライブゲームのフッテージ、コメント、オンラインショーなど、ゲームユーザーを対象としたコンテンツをストリーミングする動画プラットフォームだ。同社は25日、月間ユニークブロードキャスター数が110万人を超えたと述べた。2013年11月には60万人だったという。同社の動画を視聴するゲームユーザー数は5500万人を超え、これまでの4500万人から増加している。Twitchによると、ユーザーの視聴時間は平均で1日あたり106分間だという。
Amazonの最高経営責任者(CEO)を務めるJeff Bezos氏は声明で、「ゲームプレイ動画の配信と視聴は世界的な現象となっており、Twitchは、The Internationalから、『Mario』の世界記録更新、そしてE3などのゲームカンファレンスにいたるまで、毎月膨大な時間をかけてゲームを視聴する莫大な数の人々を集めるプラットフォームを構築している」と述べた。
ゲームは、Amazonが大きく前進できていない分野である。2年前には「Amazon Game Studios」を提供開始したが、同社の提供サービスは少ない。しかし、同社がビデオゲーム市場のシェア拡大を狙っているのは明らかである。2014年4月にメディアストリーミング機器「Fire TV」を発表した際には、オプションとしてビデオゲームプレイ用のコントローラもリリースした。
2011年6月にJustin.tvの共同創設者であるJustin Kan氏とEmmett Shear氏が創設したTwitchは2014年、クラウドソーシング技術を使った「Pokemon」ゲームや、金魚がクラシックなビデオゲームをプレイする動画のライブストリームで注目を浴びた。同サイトの動画は、「Xbox」と「PlayStation 4」のゲーム機上でもストリーム可能である。これら2つのゲーム機に対応したことが、この1年間のTwitchの成長を促進する最大の起爆剤の1つだった。
「AmazonとTwitchは、顧客を第一として最適化を図り、ともにゲームの未来を信じている」とShear氏は声明で述べた。
Googleは2014年に入り、Twitch買収で協議していると報じられた。
Re/codeの匿名情報筋によると、最終的にその交渉は決裂したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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