コクヨが「デジタルノート」開発--スキャン不要でクラウドに

井指啓吾 (編集部)2014年08月22日 06時30分

 コクヨグループのコクヨS&Tは、専用ペンとノートを使い、手書きの内容をデータ化して「Evernote」などにアップロードできるデジタルノート「CamiApp S(キャミアップ エス)」2機種を発表した。9月5日に発売予定で、大型量販店や大手文房具店、通販サイトなどでの取り扱いを見込む。想定価格は、ノートブックタイプが2万円程度、メモパッドタイプが1万6000円程度。発売後1年間で1億円の売上を目指す。

  • 「CamiApp S」ノートブックタイプ

 CamiApp Sは、本体となるノートカバー、3種類の専用ノート、専用ペン、スマートフォンアプリをセットで使う。ノートカバーに内蔵されたセンサにより、ノートに書いた文字や図表が専用ペンの動きから認識される仕組みだ。

 書き終えたら、ノート右下の「SAVE」マーカーにチェックを入れることで、データがアプリを経由してクラウドサービスにアップロードされる。取り込まれたデータは、文字認識機能により自動でテキスト化されるため、検索機能に対応する。「ACTION」マーカーを使うことで、アップロードするクラウドサービスを振り分けたり、タグを付けたりできる。マーカーに1~8の数字を書き込むことで、事前に登録した8パターンを使い分けられる。

 「たとえば、『1』をA社の商談ノート、『2』をB社の商談ノートのように、プロジェクトにわけて管理できる。また、企画のアイデアはEvernoteに、打ち合わせの議事録はGoogle Driveにアップロードするなどの管理の仕方も可能。後々の整理の手間が減らせるメリットがある」と、製品企画を進めてきた同社の矢野智子氏は説明する。

  • 「ACTION」マーカーでタグ付けなどができる

  • 実際にノートの右下にあるマーカー

  • コクヨS&T ネットソリューションVUの矢野智子氏

 ノートブック/メモパッドタイプでそれぞれAndroid版とiOS版の2種類があり、使用端末にあわせて購入する必要がある。Android版はNFC(近距離無線通信)に対応している。専用ノートは、いずれも横罫/方眼罫/打合せ記録の3種類ずつ。なお打合せ記録タイプのみ、手書きで指定した日時でGoogleカレンダー上にデータを送信できる機能がある。

 CamiApp Sの使用時に必要なアプリは、Android版が「CamiAPP」「CamiApp S 設定」の2つ(両方必要)。iOS版が「CamiAPP」。iOS版アプリは8月31日から配信する。

  • 「CamiApp S」2機種のスペック

  • ノートは3種類

  • 「CamiApp S」メモパッドタイプ

  • 本体底面にバッテリが入っている

  • 充電状況などを確認できる

  • ノートを貼り付けるための接着シール。何度でも貼り直せるそうだ

 連続使用時間は約4時間。リチウムイオン充電池が本体の底に入っており、本体側面からmicroUSBを使って充電できる。専用ペンに電池はいらないが、インクが無くなった場合には替え芯を購入する必要がある。

 コクヨS&T代表取締役社長の森川卓也氏は「デジタルノートはまだ過渡期の製品で、完成形はなかなか生まれてこない」と現状を語る。今後、CamiApp Sをはじめ、デジタルにつながるアナログ製品の価値を高めるとともに、EvernoteやGoogleなどのパートナー企業と連携し、法人向けサービスの展開を視野に入れる。アプリ開発者向けSDKも公開する予定だ。

  • 今後の展開。パートナー企業と協議中という

  • 企業向けサービスを展開予定

  • アプリ開発者向けSDKも提供する予定だ


中央:コクヨS&T代表取締役社長の森川卓也氏、左:ネットソリューションUV部長の長司重明氏、右:ネットソリューションUVの矢野智子氏

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