Dispatchは、Gmailに対応している高機能なメールアプリだ。メールをディスパッチする(速やかに処理する)ための工夫が随所に盛り込まれている。TextExpanderと連携させてよく利用する文面(スニペット)を簡単に挿入できるほか、Dispatch自体にもスニペットを挿入できる機能が備わっている。また、メールを次のアクションに素早くつなげるために、多数の外部アプリと連携させることもでき、CloudMagicやMailboxといった、今までのメールアプリの良い点をすべて取り入れたような設計になっている。
Dispatchでメールを処理する際の流れは、まず新着メールを受信したら、「削除またはアーカイブするか」「何かアクションを起こすか」を素早く判断するところから始まる。そして、メールに対してアクションが必要なら、そのアクションの優先順位を決めて、アクションを選別していく。この作業を「トリアージ」という。
トリアージとは、元々は医療機関で災害時などに、大勢のけが人が出ている場合、命にかかわるけが人から優先して対処するために選別を行うことを指していたが、最近では、タスク管理にもトリアージという言葉が持ち込まれるようになった。Dispatchの設定画面では、トリアージのアクションが選択できるのがアクションとして連携できる処理やアプリが非常に多いのが一番の特徴だ。
たとえばメールの内容からカレンダーに予定を入れたいときは、「イベントを作成」というアクションも選択できるがFantasticalに送ることもできる。iPhoneの標準機能であるリマインダーを作成すれば、Dueに送ることも可能だ。タスク管理系アプリでは、OmniFocus、Things、The Hit List、Clear、2 Days、Finish、Todoと、多数のアプリと連携できる。さらに、Evernote、Pocket、Instapaerなどの「あとで読む」系のアプリ、1Password、SNS系アプリ、Safari、Chrome、Dolphinなどのブラウザアプリと、仕事効率化カテゴリの主要アプリを網羅している。Dispatchひとつでメールから発生する仕事の準備がほぼ完了すると言っても過言ではない。
仕事で使うメールアプリとしては、ほぼ完璧に近いのだが、いくつか気になる点はある。バックグラウンドでメールをフェッチしてくれるのだが、メールアプリやCloudMagicに比べると通知が数分遅いことがある。別のアプリでの通知を見て、Dispatchを起動するということが多い。また、メールの受信がうまくいかなかったり削除したメールが再度表示されたりすることがたまにある。しかし、これらは軽微なバグなので、今後のアップデートでおそらく改善されるだろう。
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