中国は、SymantecとKaspersky Labを、認定ウイルス対策ソフトウェアベンダーのリストから除外した。国外の技術を制限し、自国内の技術を優先させようとする傾向がうかがえる。
中国国営の報道機関である人民日報が現地時間8月3日にこれを報じた。同紙はツイートで、中国政府の調達機関が、サイバーセキュリティソフトウェア認定ベンダーのリストから「SymantecとKasperskyを除外」したと述べた。米国とロシアをそれぞれ拠点とする両社が除外された一方で、中国政府は5社のベンダーを認定したが、そのすべてが中国企業である。
ウイルス対策ベンダーとして認定されたのは、Qihoo 360 Technology、Venustech、CAJinchen、Beijing Jiangmin、RisingだとReutersは報じている。
Symantecは米国時間8月4日、同社の製品が中国で禁止されたわけではないとReutersに対し述べた。
「このリストは、一部の種類の調達のみに対するものであり、Symantecの製品が中国政府によって禁止されたわけではないことを指摘しておかなければならない。われわれはこの報道について調査中であり、今後も中国の政府プロジェクトの入札に参加し、落札していくつもりだ」とSymantec関係者はReutersに述べた。
中国公安部は6月、Symantecソフトウェアには、外部アクセスを可能にする恐れのあるバックドアを含むセキュリティ脆弱性があるとする通知を発行したが、その情報については公表されなかったとBloombergは報じている。Symantecは電子メールによる声明で、次のようにコメントした。
われわれは本件について調査中であり、中国当局との情報交換を行っている最中である。現時点ではこれ以上の詳細を語るのは時期尚早である。
Symantecは当社のどの技術においても、NSAなどの政府機関のためにバックドアや隠し機能を組み込むことはしていない。
NSA(米国家安全保障局)の元契約社員Edward Snowden氏による機密文書の暴露を受けて、中国と同国外の技術企業との間の関係は最近、緊迫した状態にある。暴露されたNSAの文書からは、NSAが一般市民と世界中の政府機関を対象に広範囲にわたる監視活動を行っていたことが明らかになり、その中には中国企業も含まれていた。これに加えて、米国企業に対するサイバー諜報活動を行っていたとして「軍のハッカー」とされる5人の中国人が米連邦捜査局に逮捕される事件が起きている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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