ニューヨーク発--BlackBerryは米国時間7月29日、ドイツのモバイルセキュリティ会社Secusmartを買収すると発表した。今回の買収は、BlackBerryがモバイルセキュリティ分野と同様にエンタープライズ分野にも投資して利益を出そうとするやり方を明確にするものだ。
両社は2009年から提携してきた。買収の企図は、盗聴対策ソフトウェアで近年知られるようになったSecusmartが、BlackBerryのセキュリティ製品群と法人向けモビリティ管理の売り込みの中核部となることだ。
買収の条件は明かされなかった。
BlackBerryの最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Chen氏は、同社が開催したBlackBerry Security Summitでこの買収を発表した。SecusmartのCEOであるHans-Christoph Quelle博士は、同社の非公式の目標は世界のすべての首相と大統領に自社ソフトウェアを提供することだと述べた。
「Secusmart Security Card」は、Secusmartの技術を使った最重要製品だ。このスマートカードは、microSDカード内に組み込まれた小型コンピュータだ。このシステムは、認証用PKIコプロセッサを搭載した暗号制御装置「NXP SmartMX P5CT072」を内蔵する。さらに高速コプロセッサも搭載しており、128ビットの業界標準暗号化方式AES(Advanced Encryption Standard)版を使用して音声およびデータ通信を暗号化する。つまり、テキストメッセージやメール、音声通信は安全ということだ。
BlackBerryによるSecusmart買収は、エンタープライズとセキュリティを重視するBlackBerryの戦略を明確にしている。Chen氏はニューヨークで、同社のすべての事業(法人向けモビリティ管理、モノのインターネット、車載プラットフォーム)はセキュリティを軸に展開すると述べた。
Chen氏はまた、政府や金融、エネルギー、ヘルスケアといった規制産業に注力すると述べた。「こうした市場は、モバイルへのIT支出の半分を占める」(Chen氏)
Chen氏はSecusmartの買収について、提携関係にある2社がBlackBerry端末とセキュリティソフトウェアを統合して、「最高位に就いている各国の公人が行う極秘の通信」用のセキュリティを生み出すと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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