文章では伝わりにくいかもしれないが、Romoはとにかく元気な暴れ者である。Romoは無限軌道のおかげで部屋の中を縦横無尽に走り回る。無限軌道のおかげで4~5cm程度のものならば簡単によじ登り、薄い座布団程度なら簡単に乗り越えてしまう。
カラフルなものを追いかけることや、線をたどる場合でも、緻密というよりも元気いっぱいに走り回るという表現が適している。特に「追いかける」では、見失ったときはとにかく動く。通常なら360度回転して探せばよいと思うのに、とにかく前進して壁にぶつかってもそのまま進もうとすることもある。
障害物があったら無理に乗り上げてしまうこともあり、転倒もしばしば。その場合もiPhoneの角度を変えたり急激な推進力とうまくバランスをとって自分で起き上がってみたりもする。
その一方で、画面上の顔をなでるとRomoが笑い出し、しばらく放って置いた後にさわるとあくびをする“コマンド”も仕込まれている。どちらかというとかわいらしく“元気いっぱい”という表現がふさわしいのかもしれないが、とにかく動き回る。
主と成長をともにしていくRomoだが、筆者がすぐ使えて面白いと思った機能は、テレビ電話としても使える「ロモコントロール」だ。専用ウェブサイトから個々のRomoに割り当てられた番号を入力することにより、PCとRomoの間でやりとりができる。
これは、テレビ電話風のやりとりができるだけでなくRomoを遠隔操作できる。例えば前後左右に動かしたり、iPhoneの角度を変えることができるのだ。つまり、自走するカメラとマイクになる。
やり方は、ウェブサイトから番号を入力するだけ。Romo側には着信があることが表示され、Romo側のiPhoneで「いいよ」をタップするとつながる。
ただ、残念なことに試用した段階では、ウェブサイトからのリモートの調子が悪く、接続してもしばらくすると切断されてしまうことが続いた。いずれこれが安定すれば、たいへんおもしろい機能になりそうなだけに残念だ。なお、このサイトからのリモート操作に必要なウェブブラウザはGoogle ChromeまたはFirefoxの最新版に限られている。
あまり難しいことを考えずに、楽しみながら付き合っていくのがRomoの特徴とも言えよう。ロボットとしての頭脳や動きはアプリのバージョンアップで将来も進化するはずで、通信機能やiPhoneの高性能カメラなど、iPhoneの機能をうまく活用できることがRomoの特徴といえるだろう。
また、開発者向けのアプリ開発キット(SDK)があるのもRomoの将来性が期待できる点だ。ユーザーの手によって必要に応じてアプリが作成され、さまざまな活用が考えられる。7月13日にはハッカソンイベントも行われた。
導入にあたっての価格も比較的低価格。もともと無限軌道の可動部程度のメカに、処理やインターフェースといった大部分はiPhoneに依存、つまり、効率的にスマートフォンの力を活用していることもあってこの価格と思われるが、気軽に楽しむことができるのもRomoの大きなメリットと言えよう。
このようにたいへん面白いRomoだが最後にひとつ注意を記したい。転倒したり起き上がったりすることもあり、その時にiPhoneの上部が床に擦れあう。しかも、iPhoneを支える部分の構造上、ケースに装着したままではRomoに合体できないので、しばらく使うとiPhoneの上部が傷だらけになることは確実だ。iPhoneを傷モノにしたくないなら、保護フィルムを貼ることなどを考えておくといいだろう。
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