NTTドコモとスキルアップジャパンは、病院内の医師同士や異なる病院との間で、CTやMRIなどの医用画像を共有しながら連携できるモバイルクラウドソリューション「JOIN」を8月4日から提供すると発表した。月額費用は1つの施設につき税別8万円から、1ユーザーにつき税別900円からの予定。
従来の医用画像共有システムは、専用サーバを院内に設置してシステム運用の担当者を配置する必要があり、費用面や運用面で課題があったという。それに対してJOINは、医用画像のデータを院外にあるクラウドサーバに蓄積・管理することで、病院側にとっての設置費用やシステム運用の負担を軽減することが可能となったという。
このソリューションを導入すると、医療機関の医師などは、院外に設置するJOINクラウドサーバにスマートフォンやタブレットからアクセスして、患者の医用画像をどこからでもセキュアな環境で確認できるという。また、病院同士のデータ共有の設定をすることで、他の病院が保有するデータも閲覧できるようになる。医療関係者同士で連絡を取りあえるチャット機能も備えており、患者の担当医や患者の症状に対する専門医が不在の場合でも、画像を参照しながら連絡を取りあい、必要な医療を提供できるという。
今回の協業にあたっては、スキルアップジャパンがJOINのシステム開発を担当し、ドコモは全国の法人営業拠点から医療機関や自治体への提案・販売を行う。すでに東京慈恵会医科大学附属病院をはじめ、全国15の病院で導入を予定しているという。またこれに合わせて、ドコモでは8月1日に医療分野に特化した「メディカルICT推進室」を法人事業部内に新設し、JOINの営業活動を推進していくとしている。
発表によると、日本の医療現場は慢性的な医師不足、医療従事者の過重労働などの課題を抱えているという。そのため、全ての医療機関に高度な診断治療能力を持つ専門医を24時間常駐させることが難しく、医療従事者の負担を軽減するシステムが強く求められているという。なかでも、医用画像の共有は診断および治療判断を行う上で重要であり、スマートフォンやタブレットで画像を共有しながらテキストで医師が簡単に連絡をとれるJOINによって、病院内の診断・治療をサポートしていきたいとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」