NTT西日本とグループ会社のNTTスマートコネクト、トライフォーの3社は4月9日、ICTによる医療の効率化と質の向上を目的として、医療用クラウドサービスの開発・提供に向けて協業すると発表した。
協業の第一弾として、CTやMRIなどによる医用放射線画像を症例検討会などで閲覧・共有できるクラウドサービス「Nadia クラウド for 研究会」をトライフォーから4月10日にリリースする。このサービスでは、研究会、学会、症例検討会などの主催者が、症例画像などを圧縮、匿名化した形で、31日間データセンター上に保存でき、研究会の参加者に自由に閲覧させることができるという。
従来、医師による院内カンファレンス、研究会など症例画像をスクリーンを使って大勢で共有する場合は、症例画像の詳細を見ながら質問することや議論を深めることに課題があったが、このサービスでは個々の端末に症例画像を表示し自由に閲覧できるため、より有意義な議論を期待できるという。画像はウェブブラウザで閲覧し、端末にダウンロードすることが無いため、セキュリティ面でも安心だとしている。
なお発表によると、現在医療の現場では疾病の予防および早期発見に向けた専門性の高い放射線科医の必要性が高まっており、全国の医療機関ではCTが約1万3000台、MRIが約6000台導入されている。一方で、画像診断をする放射線科医は約6000人と非常に少ないという。画像診断の効率化が可能なクラウドソリューションを提供することで、こうした課題の解決につなげたい考えだ。
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