講師がレアジョブで1日3~4時間働くと、現地の大学の新卒給与を軽く超えるほどの金額がもらえます。やはり田舎になればなるほど仕事がありませんので、弊社を一択で選ぶ人は多いですね。重要なのはお客様のやる気や満足をいかに引き出すかだと思いますので、彼らの時給をどんどん減らすというのはちょっと違うのかなと思います。むしろお客様に継続して利用してもらうことで収益率を改善していけると思っています。
オンライン英会話で英語を話せるようになった人が増えてきたと感じています。独習だとどうしても続けられないとか、スクール制だと行く時間がないという問題がありますが、オンラインですと本当に気軽に毎日できます。日本人に一番足りないのは話す量だと思いますので、そこをしっかり確保できることが、それまでの英語教育との最大の違いだと思います。つまり、話せるようになるか、ならないかという違いです。
一方で、まだまだ苦手意識が強く、英会話を使いたがらないお客様も多いです。「自分にはまだレアジョブは早い」と言われるので、そういう方にどうしたら使っていただけるかは必死に考えています。そのひとつが話さなくていい英会話アプリの「Chatty(チャッティー)」のような取り組みで、スタンプを送り合うだけで外国人とコミュニケーションができて、英語が伝わる喜びを味わっていただけます。また、オウンドメディアを通じて英語学習に関する情報なども発信しています。
オンライン英会話市場は50~60億円規模しかないと言われていますが、紙の英語の教材やリスニングのCDなど英語学習全体の市場は500億円ほどあると言われています。今後はここがどんどんオンライン化され、その際にはフリーミアムな方向に向かっていくと思います。なので、基本的には私たちもカジュアルなコンテンツは無償で提供していくと。そこから一定割合のお客様にオンライン英会話にきていただいてマネタイズするモデルが妥当なのかなと思います。
国内の事業者に横展開するというよりは、弊社のサービスを海外で展開する際にこのシステムが使えると思っています。つまり、海外のリクルートのような大手IT企業と組んで、レアジョブ側で講師や教材を用意するモデルです。それができれば海外にも比較的出やすくなるのではないかと思います。
法人ではライフネット生命、サイバーエージェント、日本通運などの大手企業から中小企業まで約300社にご利用いただいています。また、企業別にオリジナルの教材を共同開発したり、スピーキングテストを企業研修に導入したりして、人事担当者のPDCAを回すお手伝いなどをしています。また、実践女子短期大学や長崎純心大学など一部の教育機関にも導入しているのですが、やはりWi-Fi環境がない学校も多いので、法人企業に比べると時間はかかりそうですね。
上場承認をいただいた後にいろいろとネット上でご意見をいただいたのですが、その中にはいまの弊社の規模で上場するのはどうなのかという声もありました。私も上場する会社の中では、かなり売上高や利益額が小さい部類である自覚は持っています。なので、実際に上場承認をいただく前にいろいろな上場経験者の方に「うちみたいなところが上場してもいいのでしょうか」と聞いて回りました。その際に多くの方から同じ答えが返ってきました。「行けるときに行っておけ、勝負できるステージが変わってくるから」と。
そして実際に上場を承認されたのですが、案の定少し叩かれてしまいました。そんな時にサイバーエージェントの代表取締役社長である藤田晋氏から「うちも上場した時は売上高が10億円に満たなかった。長い目で応援していますから頑張って下さい」というメールをいただいて。それはもう、泣きそうになりましたね。恐らく上場する時の規模感よりも、上場後にサイバーエージェントのように大きく成長できることが大事なのだと思います。
また、機関投資家の方々とお話していて、やはりこの会社を10~100倍の規模にして、初めてこの方たちが期待するリターンをお返しできるんだろうなと思いました。そのためには私たちのミッションである「日本人1000万人が英語を話せるようにする」、これができて初めてそれを実現できるのだと思います。なので、今回の上場を機に大きく変わるというよりは、このミッションの実現に向けてさらに努力したり、応援していただける体制を作ることだと思います。
そのミッションを達成する鍵になるのが、繰り返しになりますが、お客様から「レアジョブはいいよね」と言っていただけるようにすることです。当然機能や教材は改善していきますが、あまりそこを訴求しても効果はありません。やはり一番響くのは、私たちのサービスを使っている方が知人やご家族にお勧めしてくれることであり、それが結果的に他者との差別化にもつながると思います。
ある種、自動車学校のような存在になれればいいと思っていて、「そこにいけば英語が話せるようになるんだ」と思ってもらえる環境にすれば、会員数を現在の10倍以上にすることも可能だと思っています。いままさにその状況を作ろうとしているところです。
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