話をすることがメインの職業でなくても、人はおもしろい話にはのっていくし、つまらない話には耳を傾けない。「おもしろい話」というのは、何もオチがあるとかないの問題ではない。話の中身そのものが、興味を抱かせるものであり、おもしろいと思える展開で話されることが肝心だ。このような話のテクニックは、自社の製品を売る営業担当者や、コンペで契約を勝ち取るためにプレゼンをするビジネスパーソンなどにも必要とされるものであり、要するに誰でもが身につけておくべき技術だ。
たいていのビジネスパーソンは、ネタの選び方や構成の決め方を教わることは、ほとんどないだろう。放送作家である著者は、長年面白いと思ってもらえる番組作りに関わってきた経験から、どのようにすれば話が面白くなるかを、分かりやすく教えてくれている。
著者は話を面白くするのに重要なのは、話の「ネタ」と「構成」であると言うが、ではどういういうネタがいいのか、どのような構成にすれば、人の興味を引きつけられるのかを、「なるほど」と思えるたとえを次々に繰り出しながら説明する。1度読んだだけでもおそらく次回の自分の話し方が変わると思われる。そのくらい分かりやすい。
話がつまらないのに、自分の話がおもしろいと自信を持っている人は、本書を手に取らないだろう。実際にはそういう人にこそ読んでもらいたいのだが。
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