話者の話を素早くほかの言語にして相手に伝える同時通訳者。彼らは毎日、言語に関する勉強をしているのはもちろん、通訳のために必要な知識を得るための勉強も続けている。仕事中には通訳のために効率的にメモを取る必要があるし、多忙なスケジュールの管理も重要だ。いったいどうのようにして、通訳者は必要なことを身につけているのか。そして、どのように時間をやりくりしているのだろうか。
著者は、通訳・翻訳サービスを提供する会社の経営者である工藤紘実氏であり、何千人もの通訳者や翻訳者と関わってきた人だ。言葉のプロは、言葉に関してのみプロであるわけではなく、幅広い分野に対応する力があり、商談や会議などの重要な場所で、素早く要点をおさえて相手に伝える技術を持ち、継続的な努力を続けられる点がプロなのだと見抜いている。
本書では、これを通訳を目指す人たちに伝えようとしているだけでなく、通訳者の持つ技術を、一般的なビジネスパーソンにも役立つ技術として提供しているのが興味深い。
そのため、本書は通訳を目指している人のみならず、英語の勉強の仕方で悩んでいる人や、時間の使い方がうまくいかずに困っている人にもかなり参考になる。特にひたすらに勉強し続ける通訳者の姿勢を知ることは大いに刺激になるはずだ。
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