DMM.com(DMM)は6月26日、アドビ システムズと提携したことを発表した。ユーザーは画像編集ソフト「Adobe Photoshop CC」(Photoshop CC)で作成した3Dデータを、モノ作りのプラットフォーム「DMM.make」でシームレスにプリントできるようになる。3Dプリントをより手軽にすることで市場の拡大を目指す。
同日の記者発表会で登壇したDMM.com代表取締役の松栄立也氏は、「3Dプリンタはここ数年で何回かブームになりかけたがポシャった。我々もDMM.makeを開始し、またポシャるかもしれないと思いながら走り出した。アドビがPhotoshopで3Dプリントに対応すると発表した時は、正直『勝ったな』という気持ちだった」とコメント。ただし、自身はPhotoshopを「モザイクがけにしか使ったことがない」と語り、会場の笑いを誘った。
一方、アドビ システムズ デジタルイメージング製品担当の栃谷宗央氏は、「1月に3Dプリントへの対応を発表した時に予想以上の反響があって、早急に国内でも対応しないといけないと思っていたところ、DMMからお声がけいただいた。品質、サービス内容、価格などにおいて、素晴らしいパートナーだと判断した」と提携の経緯を語った。
DMMは、ユーザーが作成した3Dデータを送るだけでプリントを代行してくれるサービスを2013年7月に開始。2014年4月にこれを刷新し、自身が作った3D作品を販売、購入できるマーケットも利用できるプラットフォーム「DMM.make」へと拡充した。マーケットではアクセサリーやフィギュアなど約1800の商品が販売されており、数千円~数万円で購入できる。
今回の提携では、DMMがPhotoshop CC専用の3Dプリントプロファイルを開発。クリエーターはDMM.makeのサイトにアクセスして、このファイルを無料でダウンロードして適用する。その後、Photoshop CCで3Dモデルを作成するか読み込み、プリント先に「DMM」を選ぶことで、DMM.makeのアップロード画面へと進める。
ユーザーは、Photoshop CC上で直接DMM.makeで利用できる素材と色を選び、プリント前にプレビュー画面で確認できる。これによって、「完成したらイメージと違った」といったミスマッチを防げるとしている。なお、Photoshop CCではSTLやODJなど6種類の形式の3Dデータファイルを読み込める。
両社では連携を記念して、Photoshop CCで作成した3Dデータを応募できるコンテストを開催する。第1弾の応募期間は6月26日~7月31日で、応募者の中から抽選で、DMMマネーカード5000円分や、Adobe Creative Cloud 個人版1年分をプレゼントする。
また、DMMではモノづくりの流れを加速させるために、8月頃に秋葉原の富士ソフトビルを3フロア使った体験拠点を設立する。3Dプリントセンターやテックシェアオフィス、ガレージなどを設ける予定だという。
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