モバイルウォレットサービス「O:der(オーダー)」を提供するShowcase Gigと、都内で飲食店を運営するユナイテッド&コレクティブは6月26日、共同で開発した料理の注文システム「スマートオーダー」を、ハンバーガーレストラン「the 3rd Burger」アークヒルズサウスタワー店に導入した。
スマートオーダーは、入店前にスマートフォンアプリからメニューを注文してクレジットカード決済などで支払いができるO:derの機能を活用し、the 3rd Burger向けにカスタマイズしたオペレーションシステム。来店者は列に並ばずにメニューを受け取ることができ、店舗側はメニュー掲示、注文、キッチン指示、レジ会計などの行程で業務プロセスを短縮できるという。
客視点で見たサービスの具体的な流れは、店舗に足を運ぶ前にO:derのアプリから希望のメニューを選択し、クレジットカード情報を登録(初回のみ)。アプリ内で決済を完了すると、メニューの注文番号が画面に表示される。これを来店時に見せることで、店舗側が事前に調理したメニューを受け取れる。
スマートオーダーでは、ビーコンを活用したサービスも提供する。O:derに搭載された「ビーコン来店認証機能」により、Bluetoothの電波が届く約10m以内に近づいたO:derのユーザーを店舗側で確認できる。これは事前に承諾を得たユーザーのみが検知される仕組みだ。なお、ビーコンはアプリックス製「MyBeacon Pro MB004」とのこと。
また、Bluetoothの電波を約10cmまでの距離で捕捉できるようにしたデバイスを使い、iPhoneによる近距離無線通信(NFC)型のタッチ式非接触認証を可能にした。スマートフォンをこの端末にかざすことでポイントが貯まり、集めると商品と交換ができる。このタッチ型ビーコンは7月中に運用を開始するという。
スマートオーダーは「ディズニーランドの“ファストパス”のようなイメージ」と、ユナイテッド&コレクティブ代表取締役社長の坂井英也氏。事前に店舗でトライアル運用した際に、昼のピークタイムの1件あたりのオーダー処理速度が従来の2倍に向上したという。the 3rd Burgerではこれまで「メニューを注文するために行列ができ、10分ほどの待ち時間が発生する」という状態だったが、スマートオーダーの導入によりそれが緩和される見通しだ。
スマートオーダーは当面、同店向けに提供。利用料金や初期費用は未定だ。また、Showcase Gig代表取締役の新田剛史氏は今後のO:derの加盟店の目標について「可能な限り」とし、具体的な数値は出さなかった。
the 3rd Burgerアークヒルズサウスタワー店のある六本木周辺にはIT企業が多い。今後、そのIT感度の高い人たちをフックとし、スマートオーダーの認知拡大を図っていく。
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