ニューヨーク発--Intelは米国時間6月19日、「Pocket Avatars」という名称の新しいモバイルメッセージングサービスを発表した。メッセージングアプリの分野では既に激しい競争が繰り広げられているが、Pocket Avatarsは自分の顔を自由の女神やフグなどのアバターに変換できる機能をユーザーに提供することで差別化を狙う。
Intelという名前を聞いて、すぐにソフトウェアを思い浮かべる人はいないが、同社によると、Pocket Avatarsはそうした状況に変化をもたらし、自らを単なるチップメーカー以上の企業としてアピールする取り組みの一環だという。同アプリは、同社の研究開発部門であるIntel Labsが開発したソフトウェアの一部を誇示する手段でもある。そうしたソフトウェアには、Pocket Avatarsを支えるフェイシャルトラッキングが含まれる。
IntelのNew Devices GroupのゼネラルマネージャーであるMike Bell氏は当地開催のローンチイベントで、「われわれは、Intelチップベースのモバイルデバイスに搭載されたソフトウェアの多くに実際に関わっているが、人々はそのことを知らない」と述べた。
Intelは19日、新アプリに関して大きな野心を抱いていると述べたが、同社はモバイルアプリの世界で最も競争の激しい分野の1つに進出しようとしている。この分野では、Facebookの「WhatsApp」やMicrosoftの「Skype」、Snapchat、Tangoなど、多数のメッセージングおよびビデオチャットサービスが既に存在する。さらに、中核的なチップ事業以外の分野への進出を目指すIntelの過去の試みは、芳しい成果を上げていない。いくつか例を挙げるだけでも、テレビやスマートフォン、タブレットの分野から撤退を余儀なくされている。最近では、Intelはウェアラブルテクノロジに積極的に取り組んでおり、3月にはハイエンドフィットネストラッカーを製造する新興企業Basis Scienceを買収した。また、2013年には「Google Glass」のライバルであるRecon Instrumentsへの投資も行っている。
メッセージング分野で差別化を行う手段として、Intelはフェイシャルトラッキングソフトウェアを採用した。このソフトウェアは元々、将来公開されるかもしれないリアルタイムのビデオチャットサービス(Skypeに似ているが、本人の顔ではなくアバターを使う)のために開発されたものだが、同社はそれを修正してPocket Avatarsに組み込んだ。同アプリはスマートフォンの前面カメラとマイクを使って、ユーザーの声やまばたき、笑顔、頭の動きを記録し、ユーザーの顔をライオンや悪魔などのアバターとして再構築する。
同アプリは、米国とカナダにおいて、AppleとGoogleのアプリストアで英語版が既に公開されている
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」